令和7年3月号 伊藤優也さん(車いすハンドボール日本代表)

更新日:2025年2月24日

プロフィール

伊藤いとう 優也まさやさん

(市内在住)

 18歳のとき、不慮の事故により車いす生活に。絶え間ない努力と持ち前の明るさで、苦難を乗り越えてきた伊藤さん。
 仕事終わりや休日は練習に励み、オフの日はお子さんと航空記念公園で遊んだり、家族でエミテラス所沢に出かけることが多い。

夢は世界一 苦難を乗り越え掴んだ夢舞台

 一般的なハンドボールで使用するボールと競技用の車いすを使い、巧みなチェアワーク・パス・ドリブルなどを駆使して相手ゴールを狙う「車いすハンドボール」。昨年9月、エジプトで開催された世界選手権大会に臨んだのが、車いすハンドボール日本代表の伊藤優也いとうまさやさんだ。 
 東京都出身。幼い頃から活発で、体を動かして遊ぶのが大好きだった伊藤さん。友人たちとやるサッカーが楽しくて、休み時間がとにかく待ち遠しかったという。中学では部活には入らずスポーツから離れ、高校ではバイト漬けの日々。高校卒業後は就職し、新生活が始まったと思った矢先、伊藤さんは不慮の事故に遭遇してしまう。
 意識が戻ったときは病院のベッドの上。何が起きたのか思い出そうとしたとき、自分の体に違和感を覚えた。「足が動かない…」。医師から告げられたのは「もう歩くのは難しい」という信じたくない内容だった。
 リハビリ生活を送る中で、ある日、医師から「車いすスポーツをやってみたら?」と勧められた。体を動かすことが好きだった伊藤さんは、二つ返事で「やってみたいです!」と答えていた。 
 病院の体育館に行くと、車いすバスケットボールの試合が行われていた。試合後に競技用車いすに乗せてもらったが、まるで羽が生えたかのように風を切って走った感動を、今でも覚えているという伊藤さん。
 退院後は、パソコンをゼロから学び、再就職。仕事終わりや休みの日は車いすバスケを楽しんだ。 
 他のパラスポーツにも興味があった伊藤さんは、知人の紹介で車いすハンドボールの体験会に参加することになる。初めての競技に苦戦するも、車いすバスケで培ったスキルを活かし、力強いシュートで相手ゴールを揺らすことに成功する。この体験会をきっかけに、伊藤さんの人生は大きく変わり始める。
 それからは本格的に車いすハンドの練習に熱を入れ、目覚ましい勢いで成長を遂げていった。2021年に東京の車いすハンドボールチームに所属し、大会では着々と結果を残していった伊藤さん。このときから「世界の舞台で戦いたい」と思っていた。そして2024年9月、ついに車いすハンドボール日本代表として世界戦デビューを果たした。
 「憧れていた舞台で日の丸を背負って戦えた。諦めないで続けてきて本当に良かった」という伊藤さん。結果は5位だったものの、負けた悔しさから猛練習を重ね、同年11月に行われた日本選手権大会ではチームを優勝に導き、見事MVPを獲得した。
 「夢は世界一。これまで支えてくれた家族や職場の人たちのためにも、絶対に獲りにいきます」と、周囲への感謝を胸に、今日も練習に励む。
 (取材:関)


試合中の伊藤選手 写真提供:TAJIMA LICO

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