平成29年9月号 安達 来奈さん(こども銭湯大使)

更新日:2020年10月23日

プロフィール

安達あだち 来奈らいなさん

小学5年生。
けやき台在住。
銭湯の魅力を子どもたちに広めるために日本銭湯文化協会が企画したこども銭湯大使の一人。
銭湯で欠かせない飲み物は「やっぱり牛乳!」

お客さんと話せるのが銭湯の良いところ!

のれんをくぐった先にあるのは、浴室から漏れる湯気の熱気、井戸端会議をしている人たちの笑い声。
多くの人が風呂道具を手に訪れるのは、古き良き日本の文化が残る銭湯。
「銭湯ってすごく楽しいんです!」と熱く語るのは、こども銭湯大使の安達来奈さんだ。
安達さんが初めて銭湯に行ったのは昨年5月頃、小学4年生のときだった。
きっかけは、銭湯が題材のテレビドラマ。
「実際に銭湯に行ってみたら、湯船が広くて気持ち良い。
他のお客さんも優しく声を掛けてくれるので、すごく楽しくて銭湯が大好きになりました」。

それから約1年半。ほぼ毎週末、同じく銭湯好きのお父さんと各地の銭湯に足を運んでいる。
今まで行った銭湯は約60カ所。
「遠くに出掛けたときは毎回のように銭湯に行きます。
お母さんには『また銭湯?』と笑われます。
もちろん、所沢唯一の銭湯・弘法こうぼうの湯も行きました。今まで行った銭湯は日誌にしてるんです」。
はにかみながらも誇らしげな笑顔で、ぎっしり書かれた日誌を見せてくれた。

そんな銭湯愛あふれる安達さんが「銭湯の魅力をもっと多くの人に伝えたい」と応募したのが、日本銭湯文化協会が企画するこども銭湯大使だ。
そして今年5月、銭湯への熱い思いが実を結び、全国で4人任命されたうちの1人としてこども銭湯大使に就任した。

安達さんがここまで熱中する銭湯の魅力とは一体なんなのか。
「魅力はいろいろあるけど、私が大好きなのは、知らない人ともお話しできるところです。
家だと一人か家族と入るくらいしかできないけど、銭湯だといろんな人と話せて楽しい。
だから銭湯に行ったら必ず他のお客さんと話します」。
大型の入浴施設とは違う、決して大きくはない、昔ながらの銭湯での裸の付き合いだからこそ、見知らぬ人同士の心をも裸にしてしまうのかもしれない。

「銭湯の魅力を伝えて、たくさんの人に銭湯に行ってもらいたい。特に、私と同じ世代の子たちに興味を持ってほしいです。銭湯ってすごくいいよ!」。
“好き”があふれる安達さんの言葉には、銭湯に行きたくなる魅力がある。
さあ、今夜は手ぬぐいを片手に銭湯ののれんをくぐってみようか。
(取材:佐々木)

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「わ」の板の秘密

取材中、安達さんが「これ知ってますか?」と見せてくれた写真に写るのは「わ」と書かれた板。
「わ」板=(湯が)わいた=営業中という意味で、言葉遊びの一つだそう。
しゃれ好きだった江戸時代の人々の粋な文化で、今も一部の銭湯に残っているそうです。
銭湯をきっかけに、その歴史や文化も学んでいる安達さんでした。

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