平成30年8月号 蓬澤 里美さん(子育てママのお話し工房 星のたまご)
更新日:2024年6月11日
プロフィール
蓬澤 里美さん
北中在住。
2014年4月、紙芝居ユニット「子育てママのお話工房 星のたまご」を結成。自身は童話の創作を担当している。
5歳と小学4年生の2児の母親。日々の子育て中の出来事を童話用に書き溜めている。
共感を呼ぶ、等身大の母親からのメッセージ
「娘がご飯を残したんです。それを物語にしようと思って」。どの家庭にもありそうな出来事を、子育て中の母親ならではの温かな目線で童話にしているのが蓬澤 里美さんだ。
2013年、フリーペーパーで創作童話の募集記事を見つけ、経験は無かったが、軽い気持ちで応募してみた。落選したものの、童話を作る楽しさに目覚めた。ママ友に作った童話を見せたところ、大好評!「紙芝居にしてみたら?」。その一言がきっかけで、翌年3月の親子イベントで、ママ友の松田えみりさんと紙芝居をすることに。「子育てママのお話工房 星のたまご」誕生の瞬間である。
そして、親子イベントに来ていたラジオ関係者から依頼を受け、その後2年間、毎月、公開生放送の紙芝居コーナーを担当することになった。等身大の母親の思いが詰まった作品は、多くの母親たちを中心に大きな反響を呼んだ。
人生はまったく、何があるか分からない。ママ友の何気ない一言から活動を始めた蓬澤さん。「自己流で書いてきましたが、いろいろな人たちのおかげでここまでやってこれました」。本人は謙遜するが、特別な先入観がないからこそ、素朴で皆が共感できる作品になるのだろう。
一人の母親として、日頃思っていることを書く。「同じママさんから、『感動して泣きました』という感想をいただきます。少しでもママさんたちの癒やしになれば。」そう話す蓬澤さんは、まるで多くの母親たちの代弁者だ。これまでに制作した紙芝居は17本。「子育てをしているおかげで、書きたい題材はたくさんあります」と、制作意欲をにじませる。 イベントへの出演依頼も多い。作品だけでなく、蓬澤さんの明るい人柄にも引き付けられるのだろう。
蓬澤さんが書いた童話は、朗読を担当する松田さんの声を通すことで、人々の心にじんわりと染み渡る。しかし、作品を彩るのはこの二人だけではない。音楽とのコラボレーションも特徴の一つだ。
たまたま同じイベントに出演した、市内在住のスティールパン奏者・伊澤陽一さんが奏でる音色に惚れ込んだ。2015年8月、スティールパンを題材にした紙芝居「ティンリングが聞こえる島」を、伊澤さんの生演奏と共に発表。音楽に包まれた物語は、聞き手をより一層その世界に引き込む。「この作品は伊澤さんの音楽があって完成したもの。彼の音楽無しでは考えられません」と、作品への思いを口にした。
「いつか映画の原作になるような物語を書きたい」。謙虚な姿勢が印象的な蓬澤さんだが、その夢は大きい。
(取材:宮崎)
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