平成28年10月号 齊藤 善之さん
更新日:2016年10月1日
プロフィール
齊藤善之さん(金山町在住)
金山町所蔵ののぼり旗などの文化財の保存に20年近くにわたり尽力。
10月に初めて幕末の三舟書ののぼり旗の同時展示を行う。
地元の魅力を伝える、町の宝「幕末の三さん舟しゅう書ののぼり旗」
幕末の三舟と呼ばれる三人をご存知でしょうか。江戸時代末期から明治初期にかけて活躍した勝 海舟、山岡鉄舟、高橋泥舟の総称です。
当時、人口100万人を超える江戸を戦火に巻き込まず、江戸城を無血開城できたのは彼らの功績によるところが大きいといわれています。
書の達人でもあった彼らが書いたのぼり旗が金山町にあります。
「実は地元にこんなにすごいものがあるってことを知らない人も多いんじゃないかと思うんです」と語るのは、齊藤 善之さん。本年10月に公開される「幕末の名筆三舟『勝 海舟、山岡 鉄舟、高橋 泥舟』の幟展示会」を進めている中心人物です。
「歴史ある文化財を守ることをやめるのは簡単。逆に、守っていくことはとても大変です。一人ではとても守れないけれど、『町の宝』として金山町全体で守ってきたからこそ、137年経ってもなおきちんと保存されている。でも、せっかくの宝を町内だけで保存しておくのはもったいない。多くの人に見てもらうことに意味があると思い、展示会を行うことにしました」。
左が勝海舟書、右が山岡鉄舟、高橋泥舟書
今回展示されるのは、明治12年に勝 海舟が書いたのぼり旗1旒と、明治14年に山岡 鉄舟、高橋 泥舟が書いたのぼり旗2旒の合計3旒。
3人は金山神社を創建したとされる齊藤家と親交があり、所沢を訪れた際にのぼり旗を書いてもらったそうです。
今まで単独公開される機会はありましたが、三舟の書3旒が同時に公開展示されるのは初めて。
中には個人所蔵のものもあるため、全てがそろって公開展示されるのは極めてまれです。
「実は、私も勝 海舟書ののぼり旗はこのあいだ初めて見せてもらいました。もともと歴史は好きだったけれど、文化財のことはよく知りませんでした。町内会などで活動するなかで地元の文化財の保護に携わるようになって、携わってみないとわからない町が持つ歴史や魅力に改めて気付いたんです。三舟ののぼり旗は、私のように地元に長くいても見ていない人がいるのだから、存在を知らない人だって多いに違いない。この機会に多くの人に町の宝を知って、見てもらうことで、町の魅力を再認識してもらえたらいいなと思います。町の宝である地域の文化財を知るというきっかけを作るためにも、今後は5年ごとにのぼり旗の公開展示をしていけたらと思ってます」。
自分の知らなかった地域の誇れる歴史と文化財に触れることで、きっともっと住んでいる町が好きになる。あなたのまだ知らない『わが町の魅力』に出会ってみませんか?
(取材:佐々木)
幕末の名筆三舟『勝 海舟、山岡 鉄舟、高橋 泥舟』の幟展示会
日時
平成28年10月8日(土曜)午後2時から4時
場所
武蔵野銀行所沢支店駐車場(金山町12番13号)
お問い合わせ
所沢市 経営企画部 広報課
住所:〒359-8501 所沢市並木一丁目1番地の1 高層棟3階
電話:04-2998-9024
FAX:04-2994-0706