土砂災害防止法の概要
更新日:2021年3月15日
土砂災害防止法とは?
土砂災害防止法(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律)
土砂災害は毎年のように全国各地で発生しており、私たちの暮らしに大きな被害を与えています。
また、その一方で、新たな宅地開発が進み、それに伴って土砂災害の発生する恐れのある危険な箇所も年々増加し続けています。そのようなすべての危険箇所を対策工事により安全な状態にしていくには、膨大な時間と費用が必要となってしまいます。
そのような災害から人命や財産を守るため、土砂災害防止工事等のハード対策と併せて、危険性のある区域を明らかにし、その中で警戒避難体制の整備や危険箇所への新規住宅等の立地抑制等のソフト対策を充実させることが大切であるため、この法律が制定されました。
基礎調査の実施
都道府県が、渓流や斜面及びその下流など、土砂災害により被害を受ける恐れのある区域の地形、地質、土地利用状況等について調査します。
基礎調査
急傾斜地の崩壊
※傾斜度が30度以上である土地が崩壊する自然現象
急傾斜地の崩壊
急傾斜地の崩壊
土石流
※山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が水と一体となって流下する自然現象
土石流
土石流
地滑り
※土地の一部が地下水等に起因して滑る自然現象又はこれに伴って移動する自然現象
地滑り
地滑り
区域の指定
基礎調査を実施して、土砂災害の恐れのある区域等を指定します。
土砂災害警戒区域(通称:イエローゾーン)
■急傾斜地の崩壊
傾斜度が30度以上で高さが5m以上の区域
急傾斜地の上端から水平距離が10m以内の区域
急傾斜地の下端から急傾斜地の高さの2倍(50mを超える場合は50m)以内の区域
■土石流
土石流の発生の恐れのある渓流において、扇頂部から下流で勾配が2度以上の区域
■地滑り
地滑り区域(地滑りしている区域または地滑りする恐れのある区域)
地滑り区域下端から、地滑り地塊の長さに相当する距離(250mを超える場合は、250m)の範囲内の区域
土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)
急傾斜地の崩壊等に伴う土石等の移動等により建築物に作用する力の大きさが、通常の建築物が土石等の移動に対して住民の生命又は身体に著しい危害が生ずる恐れのある損壊を生ずることなく耐えることのできる力の大きさを上回る区域。
警戒区域に指定されると・・・土砂災害警戒区域(通称:イエローゾーン)
急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生ずる恐れがあると認められる区域であり、危険の周知、警戒避難体制の整備が行われます。
市町村地域防災計画への記載
土砂災害を防止・軽減するためには、土砂災害が生ずる恐れのある区域において土砂災害に関する情報の収集・伝達、予警報の発令及び伝達、避難、救助等の警戒避難体制を確立していくことが大切です。
このため、土砂災害に関する警戒避難体制について、その中心的役割を担うことが期待される市町村防災会議が策定する市町村防災計画において、警戒区域ごとに警戒避難体制に関する事項を定めることとされています。
要配慮者利用施設利用者のための警戒避難体制
高齢者、障害者、乳幼児等、自力避難が困難なため土砂災害の犠牲者となりやすい要配慮者の円滑な警戒避難を実施するため、土砂災害に関する情報等の伝達方法を定めることとされています。
土砂災害ハザードマップによる周知の徹底
土砂災害による人的被害を防止するためには、住居や利用する施設の存する土地が土砂災害の危険性がある地域かどうか、緊急時にはどのような避難を行うべきか、といった情報が住民等に正しく伝達されていることが大切です。
このため、市長村長は市町村地域防災計画に基づいて区域ごとの特色を踏まえた土砂災害に関する情報の伝達方法、土砂災害の恐れがある場合の避難地に関する事項及び円滑な警戒避難に必要な情報を住民に周知させるため、これらの事項を記載した印刷物(ハザードマップ等)を配布し、その他必要な措置を講じることになっています。
ハザードマップ
宅地建物取引における措置
警戒区域では、宅地建物取引業者は、当該宅地又は建物の売買等にあたり、警戒区域内である旨について重要事項説明を行うことが義務付けられています。
警戒区域に指定されると・・・土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)
急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずる恐れがあると認められる区域で、特定の開発行為に対する許可制、建築物の構造規制等が行われます。
特定の開発行為に対する許可制(都道府県)
特別警戒区域では、住宅宅地分譲や社会福祉施設、学校及び医療施設といった要配慮者利用施設の建築のための開発行為については、土砂災害を防止するために自ら施行しようとする対策工事の計画が、安全を確保するために必要な技術的基準に従っているものと都道府県知事が判断した場合に限って許可されることになります。
特定の開発行為に対する許可制
建築物の構造の規制(建築主事を置く地方公共団体)
特別警戒区域では、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずる恐れがある建築物の損壊を防ぐために、急傾斜地の崩壊等に伴う土石等が建築物に及ぼす力に対して、建築物の構造が安全なものとなるようにするために、居室を有する建築物については建築確認の制度が適用されます。
すなわち区域内の建築物の建築等に着手する前に、建築物の構造が土砂災害を防止・軽減するための基準を満たすものとなっているかについて、確認の申請書を提出し、建築主事の確認を受けることが必要になります。
建築物の構造の規制
建築物の移転等の勧告及び支援措置(都道府県)
急傾斜地の崩壊等が発生した場合にその住民の生命又は身体に著しい危害が生ずる恐れのある建築物の所有者、管理者又は占有者に対し、特別警戒区域から安全な区域に移転する等の土砂災害の防止・軽減のための措置について都道府県知事が勧告することができることになっています。
特別警戒区域内の施設整備にかかる防災工事や区域外への移転等に対しては、支援措置(住宅金融支援機構の融資)があります。
建築物の移転等の勧告
宅地建物取引における措置
特別警戒区域では、宅地建物取引業者は、特定の開発行為において、都道府県知事の許可を受けた後でなければ当該宅地の広告、売買契約の締結が行えず、当該宅地又は建物の売買等にあたり、特定の開発行為の許可について重要説明事項を行うことが義務付けられています。
関連リンク
土砂災害防止法(国土交通省)(別ウィンドウが開きます)(外部サイト)
土砂災害防止法(埼玉県)(別ウィンドウが開きます)(外部サイト)
土砂災害防止法(川越県土整備事務所)(別ウィンドウが開きます)(外部サイト)
お問い合わせ
所沢市 危機管理室
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