菩提樹池里山保全地域での活動状況
更新日:2022年12月6日
菩提樹池と周辺の緑地
緑地の様子
狭山丘陵のほぼ中央部に位置し、コナラを中心とした雑木林と湧水が流れ込むため池が存在します。ため池から流れる水は小川、湿地を形成している他、市民団体が保全する水田に欠かせないものとなっています。
緑地は5.2ヘクタール(内公有地1.7ヘクタール)ほどの「谷戸」(注釈1)で、典型的な里山の景観を維持しています。また周辺には多くの動植物が確認され、都市周辺に残された、生物多様性に富んだ貴重な自然の宝庫になっています。
注釈1:谷戸とは、丘陵地における谷状の地形を指し、湧水や水田も含めた呼称ともされています。
菩提樹池の変遷
湧水を源とする小川から水が流れ込み、池からも水が湧いています。昭和30年代までは池の上流、下流でも豊富な水を利用して稲作をしていましたが、徐々に水田が放棄されると池のかい掘り(注釈2)もされなくなり流れ込む土で池が埋まってしまいました。その状況を憂いた地元の自治会を中心とした団体が池のしゅんせつ(注釈3)を行い、池を復活させました。
注釈2:かい堀りとは、池の水を一時的に抜き、たまった泥などを撤去する作業を指します。
注釈3:しゅんせつとは、水深を増やすため、水底の土砂などを撤去する作業を指します。
周辺の環境
ゴルフ場、球場、霊園に囲まれた狭い谷戸でありながら、尾根伝いには雑木林が続き、谷には護岸されていない自然の小川が流れています。周辺には畑が広がり、農耕風景と遠くに狭山湖の堤防や市街地を望むことができます。
東側には地元の農家の方が耕作していた水田が1枚ありましたが、高齢化のため作業ができなくなりました。しかし地元の団体が生きものに配慮した耕作を続けることになり、今では様々な動植物が見られる良好な環境を維持することに成功しています。
かい堀り作業風景
菩提樹池へのご案内
菩提樹池と散策路
多くの生きものが生息する湿地
散策を行う上での注意
- ごみ箱の設置はありませんので、ごみは必ずお持ち帰りください。
- ペットのフンは必ずお持ち帰りください。
- 花火等は樹林地の火災の恐れがあるため禁止します。
- 生きものの生息を脅かすことが無いように道以外のところには入り込まないでください。
- 市民の方々と協力して里山の保全を行っています。植物を持ちかえったり、貴重な生きものを採取したりすることはご遠慮ください。
- 生態系の維持のため、外から持ってきた生きものを逃がしたり、放流したり、植物を植えたりしないでください。
- マムシやヤマカガシ、オオスズメバチなど噛まれたり、刺されたりすると人体に有害な影響を与える生きものがいます。散策には十分注意してください。
菩提樹池と周辺の緑を守る協定
平成20年度に埼玉県の「まちのエコ・オアシス保全推進事業」で公有地化した区域と所沢市が地権者から寄附を受けた区域を中心に、今まで菩提樹池と周辺緑地の保全に取り組んできた地域住民、自然保護団体、企業、行政などの関係者によって、豊かな自然環境と里山景観の保全活用を図るために協定を結びました。
保全活用の方針
- 生物多様性に配慮した保全活動を行います。
- 地域が中心となって持続的な保全活動を行います。
- 保全と利用のルールをつくり、広く市民の皆さんに公開します。
- ルールづくりに当たっては、地域住民と自然保護団体の考え方を尊重します。
- 子どもたちの環境教育、体験学習に活用します。
協定団体
- 菩提樹池愛好会
- 山口の自然に親しむ会
- 菩提樹田んぼの会
- 公益財団法人トトロのふるさと基金
- 西武鉄道株式会社
- 所沢市
- 埼玉県
協定に基づく取り組み
保全管理の方針(ゾーニング)
協定団体では、団体間の共通認識のもとで活動を行っていくため、動植物や安全・防犯の観点を踏まえた長期計画(ゾーニング)を作成しました。今後、ゾーニングに沿った活動を行いますが、活動内容はその都度協議していきます。
※今回のゾーニングは、現在の活動範囲である菩提樹池及びその下流部の、主に公有地を対象に作成しています
こんな保全管理を行いました
園路の補修
草刈りの様子
刈った草や落ち葉の収集
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お問い合わせ
所沢市 環境クリーン部 みどり自然課
住所:〒359-8501 所沢市並木一丁目1番地の1 高層棟5階
電話:04-2998-9373
FAX:04-2998-9195