令和7年所沢市議会第1回定例会施政方針・提案理由説明要旨(令和7年2月18日)(全文記載)

更新日:2025年2月21日

はじめに

 本日ここに、令和7年所沢市議会第1回定例会を招集申し上げましたところ、議員の皆さまにおかれましては、ご健勝にてご参集賜り、新年度予算をはじめ市政における重要案件につきまして、ご審議いただきますこと、厚く御礼申し上げます。
 私が市長の任を賜りましてから、1年3か月が経ちました。この間、議員の皆さまをはじめ、市民の皆さまのご理解とご協力のもと、市政運営を担ってまいりました。
 今回の予算編成におきましても、市民の皆さまお一人おひとりにとって、やりたいことができるまち、可能性が広がるまちを目指し、市民の皆さまの幸せの土台・基盤づくりを行うべく、進めてまいりました。
 それでは、令和7年度予算をはじめ諸議案の審議をお願いするにあたり、「市政運営と予算編成の基本的な考え方」及び「令和7年度予算の概要」を申し上げ、市民の皆さま並びに議員の皆さまの重ねてのご理解、ご協力を賜りたく存じます。

市政運営と予算編成の基本的な考え方

 まず、令和7年度における、「市政運営の考え方」につきまして申し上げます。
 2025年、令和7年、所沢市は市制施行75年の節目の年でございます。そして、5年後となります2030年、令和12年の「中核市移行」に向け、着実に準備を進めてまいりたいと存じます。
 いかに、より市民の皆さまにとって所沢市が住み続けたいと思って頂けるまちになれるか、また他のまちにお住まいの方からは、所沢市に住んでみたいと思って頂けるまちになれるか、そのことを強く意識して、本年もスピード感を持って政策を進めてまいります。
これらを踏まえまして、令和7年度の「予算編成の基本的な考え方」につきまして申し上げます。
 本市において所沢駅周辺や若松町、北秋津、上安松など、土地区画整理事業を進めてまいりましたエリアで、新たな方々が住み始め、まちづくりに投資してきた成果が実りつつありますことから、市税収入につきまして、個人市民税や固定資産税を中心に増収を見込んでおります。
 一方、人件費や物価の高騰による経費の増大、社会的ニーズの多様化への対応などの増加が見込まれます。この様な状況の中、市民の皆さまからお預かりしている大切な財源を最大限有効に活用するため、令和6年度に続き、令和7年度予算につきましても、全ての事業を丁寧に精査すべく、必要な経費に必要な予算措置を行う「一件査定方式」により予算編成を行いました。

令和7年度予算の概要

 次に、令和7年度予算の概要を申し上げます。
 一般会計の総額は、1,258億3,000万円となり、前年度当初予算比3.4パーセント、41億8,900万円の増、また、特別会計、事業会計を加えた全会計の合計は、2,212億5,578万7千円となり、前年度当初予算比3.9パーセント、83億1,507万9千円の増となりました。
 一般会計について、増額の要因といたしましては、歳出の約半分を占めます民生費が社会保障経費を中心に約36億2千万円の増額となったことや、所沢市庁舎基幹設備の改修工事などに伴い、総務費が約35億9千万円の増額となったことなどが挙げられます。
一方で、減額の要因といたしましては、第2一般廃棄物最終処分場整備工事の本体工事がピークを越えたことや所沢駅西口歩行者デッキ整備工事が完了したことに伴う工事費の減などが挙げられます。
 また、歳入につきましては、市税や各種交付金を社会情勢などに合わせて見積もるとともに、後年度の負担が過重とならないよう配慮のうえ、市債や各基金からの繰り入れなどにより対応することといたしました。
 なお、基金のうち、年度間の財源調整の役割を果たす財政調整基金の取崩額については、必要な経費にしっかりと予算配分したうえで、前年度に比べ、減らすことができました。要因としましては、各部においてこれまで以上に、人員配置や補助金等の精査などを行うとともに、引き続き実施するとした事業については、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の視点による事務の効率化に努めるなど、全庁一丸となって経費の縮減に取り組んだ成果と考えております。
 これにより、令和7年度は当初予算編成後における財政調整基金の年度末残高については前年度同時期に比べて増える見込みとなっております。
 それでは次に、分野ごとに主な施策をご説明いたします。

1「こどもを中心としたまちづくり」

 最初に、「こどもを中心としたまちづくり」の分野でございます。
 こども政策につきましては、公約で優先事業として掲げました「小・中学校の給食費無料化」と「18歳までの医療費無料化」を継続して実施してまいります。
 また、待機児童対策として保育園や児童クラブの新設を推進するとともに、既存施設の整備を進めます。加えて、幼稚園を活用した預かり事業を拡充するとともに、児童館などを活用した預かり事業を新たに実施いたします。さらに、医療的ケア児への支援として、訪問看護師による在宅レスパイトを開始するほか、通所支援事業所への施設改修や設備への補助を拡充するなど、安心して子育てができる環境の充実に努めてまいります。
 学校環境の向上については、新たに屋内運動場(体育館)の空調設備の設計に着手するとともに、特別教室の空調設備の整備、学校トイレ の改修、校舎照明のLED化、防犯カメラの設置などを進めてまいります。
 学校教育に関する取組につきましては、地域の教育力を活用したコミュニティ・スクールの全校実施、小学生を対象とする算数基礎学力向上プロジェクトによる学力向上や、「ほうかごところ」の新設による放課後のこどもの居場所づくりなどに努めてまいります。

2「地域のつながりを活かしたまちづくり」

 次に、「地域のつながりを活かしたまちづくり」の分野でございます。
 地域づくりにつきましては、地域の皆さまがつながりを持ちながら主体的に地域をより良くしていく活動を行なっていただくため、自治会・町内会などに対する支援として令和6年度に引き上げた自治協力報奨金の額を維持するなど、引き続き地域コミュニティの充実に取り組んでまいります。
 福祉につきましては、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、認知症施策や社会的障壁を取り除くための総合的な取組の推進、生活困窮者支援などにより、市民の皆さまの福祉の増進に努めてまいります。
 危機管理につきましては、老朽化した下水道管に起因する道路陥没を未然に防ぐための予防保全を引き続き実施するとともに、「災害に強いまちの実現」に向け、災害時の情報伝達手段である防災行政無線の更新、更に、市民の皆さまが各地域で主体となって取り組む「自主防災活動訓練」の全面的な支援を行い、市民の方自らが避難所の開設をすることも想定いたしました実践的な訓練を行い、地域の防災力をより充実させてまいります。
 また、地域防災力の要となる消防団について、車両の更新、装備の充実を確実に進めてまいります。
 防犯につきましては、本市でも特殊詐欺事件や闇バイト関連の強盗致傷事件が発生していることから、これらを防止するための啓発活動、地域の防犯活動の支援、客引き排除対策などを更に充実させるほか、若年者を含め、消費者被害防止を継続して強化してまいります。

3「健幸けんこう(けんこう)長寿のまちづくり」

 続きまして、「健幸けんこう(けんこう)長寿のまちづくり」の分野でございます。
 健康につきましては、高齢者の重症化予防を目的として、帯状疱疹ワクチンが定期接種化されましたことから、令和7年4月から帯状疱疹ワクチン接種を実施いたします。
 熱中症対策といたしましては、外出時に暑さから避難し、休憩できる場所として、公共施設の一部をクーリングシェルターに指定しておりますが、今年度は民間事業者の公募も行い、指定施設の拡大を図ってまいります。
 精神保健の分野では、精神障害者の方々が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、医療・保健・福祉の各分野の専門職チームによる精神障害者アウトリーチ支援事業を継続してまいります。本市における本事業の成果は国際的にも高い評価を受けており、昨年度は世界保健機構(WHO)、本年1月にはフィリピン共和国保健省の視察団が本市を訪問されました。今後も精神保健分野の先進地として支援体制を充実させてまいります。
 医療につきましては、他の医療機関が診療を実施していない夜間などに市民医療センターでの「365日小児初期救急医療」の提供を堅持いたします。また、市民医療センターの再整備に向けて、実施設計を進めてまいります。加えて、がん患者やそのご家族の方々の生活の質の向上と心理的・経済的負担の軽減を目的に在宅療養費用の助成などを継続いたします。

4「人と自然が共生するまちづくり」

 続きまして、「人と自然が共生するまちづくり」の分野でございます。
 二酸化炭素排出量の削減と蛍光ランプの製造販売が停止されることに対応するため、公共施設におけるLEDの一括導入の実施に向けて、最適な整備手法の検討を進めてまいります。
 併せて、スマートハウス化推進補助制度の継続及び国の補助事業の活用により、太陽光発電設備や蓄電池を導入する家庭や事業者に対し、補助額の上乗せを実施いたしますほか、引き続き公共施設への太陽光発電設備の設置も進め、より一層の脱炭素化を推進してまいります。
 また、樹林地など所沢市が誇る豊かな自然環境については、みどりのパートナー等の市民の方々と連携して管理・保全をしてまいります。
 加えて、生ごみ処理機等奨励金交付制度を継続して実施するなど、ごみ減量・資源化を推進し、ごみ焼却に伴う温室効果ガス排出量の削減を図ってまいります。
 また、10月の供用開始に向けて第2一般廃棄物最終処分場及びその周辺の整備を着実に進めてまいります。

5「所沢の魅力を高めるまちづくり」

 続きまして、「所沢の魅力を高めるまちづくり」の分野でございます。
 所沢駅西口の土地区画整理事業の着実な推進により、昨年9月にエミテラス所沢が開業いたしましたが、大変多くの方に所沢に訪れていただいております。市といたしましても、所沢にお越しいただいた方々が安全で快適にお過ごしいただくために、広い歩道や歩行者デッキ、公園の整備などを進めてまいりましたが、所沢の魅力をアピールする絶好の機会と捉え、所沢駅周辺では引き続き所沢駅ふれあい通り線などの整備を進めてまいります。また、ファルマン通り交差点周辺の無電柱化などにより、歩行者のための安全で快適な空間の確保に加え、台風や地震などの際、電柱が倒れる等の危険をなくし、災害時の緊急車両の通行の円滑化を図ります。加えて、西所沢駅西口開設に向けて、送迎車用転回広場の整備や駅舎の設計の進捗に合わせた駅前広場の設計を進めます。
 産業団地の創出を進めている三ケ島工業団地周辺地区においては、土地区画整理組合による円滑な事業推進のため、支援などを継続してまいります。また、関越自動車道所沢インターチェンジ周辺地区においては、土地区画整理事業の実現に向けた地元の機運も高まってきましたことから、準備会の結成に向け支援を行ってまいります。都市基盤が整備され、自然環境と調和した魅力ある住環境の実現に向け、既に事業が実施されています北秋津・上安松地区、若松町地区及び下安松東地区に続き、上安松・下安松西地区においても、事業実施に向けて都市計画手続きに着手いたします。
 加えて、北野下富線や狭山湖入口交差点の整備や公共インフラの予防保全を進め、ところバス・ところワゴンの更なる充実を図ります。
 また、付加価値の高い都市型産業や製造業の誘致などを促進してまいります。
 農業においては、多彩な魅力を感じられる産地づくりを目指し地産地消を進めるとともに、持続可能で地域に根差した農業を振興するため、オーガニックビレッジの取組なども活用してまいります。
 また、5年に1度の大祭として開催されます「ところざわまつり」を引き続き支援してまいります。
 そのほか、観光事業では、所沢ブランド特産品や所沢市観光情報・物産館YOT-TOKOよっとこ(よっとこ)の活用を進めるとともに、所沢市が誇る名産品である狭山茶の普及促進を目的として、連携自治体とともに大阪・関西万博に出展いたします。
 市民文化センター・ミューズにつきましては、「文化の殿堂」として、幅広い世代に楽しんでいただけるよう多彩な事業を展開してまいります。また、COOL JAPAN FOREST構想の更なる発展に向け、昨年に引き続き所沢Mixカルチャーフェスタを開催し、分野横断的な連携により、所沢の魅力を発信してまいります。
 加えて、国の登録有形文化財である「旭橋」に復元された電灯を設置するとともに、新たな取組として、「音楽のあるまちづくり」のブランド力向上を目指し、「(仮称)音まちFESTIVAL」の開催を支援いたします。

6「中核市への移行に向けて」

 次に、中核市への移行に向けた取組でございます。
 移行を円滑に進めるための「中核市移行に関する基本方針」を今月策定したところですが、3月には、基本方針を携え、埼玉県知事に対し正式に協力を要請いたします。
 そして、その要請に基づき、市と県の担当者連絡会議を設置し、移譲事務に係る本格的な調整を進めてまいります。庁内体制といたしましても、経営企画部に中核市推進室、健康推進部に保健所準備室を設置するとともに、中核市移行推進委員会と各分野からなる専門部会を組織し、全庁を挙げて検討を進めてまいります。
 特に保健所につきましては、保健所設置基本計画の策定に向けた検討を進めますとともに、保健所設置検討委員会におきまして計画案をご審議いただきます。また、建設予定地である生涯学習推進センターグラウンドの地質調査や測量といった設計・施工に向けた準備にも着手いたします。
 市民の皆さまに最も身近な存在で、地域の実情を把握しやすい基礎自治体として、これまで以上に市民の皆さまに寄り添った形で、より質の高い行政サービスの提供ができますよう、中核市移行への歩みを着実に進めてまいります。

7「行財政」

 最後に、「行財政」の分野でございます。
 市民の皆さまのご意見やご提案を伺い、市政に反映させていくため、これまでに16回開催してまいりました市長タウンミーティングを令和7年度も毎月開催いたします。
 加えて、DXの推進につきましては、市民の皆さまの利便性向上を目指し、主要な業務システムを国が示す標準準拠システムへ順次移行しますほか、行政サービスの更なる向上に繋げていくためのシステム構築などを実施いたします。その他、庁舎基幹設備の改修などにも取り組んでまいります。
 また、昨年11月1日に返礼品を再開し、予想を大きく上回るご寄附をいただいておりますふるさと納税につきましても、年間を通じて所沢市の魅力を発信する返礼品の追加を進めてまいります。加えて、所沢駅西口地区や土地利用推進エリアでの取組などによる市の魅力向上、働く場所・住む場所の確保などによって、更なる歳入確保策の充実を図ってまいります。
 以上、令和7年度の主な施策につきましてその概要をご説明いたしました。

その他の案件

 次に、令和6年度補正予算の概要につきまして、ご説明申し上げます。
 はじめに、議案第1号「令和6年度所沢市一般会計補正予算(第10号)」につきましては、給与改定に伴う人件費の増額、民生費などにおいて不足する事業費の追加、国・県の補助金等の確定に伴う返還金に加え、地方交付税の追加交付などについて計上いたしました。
 この結果、補正額は7億723万4千円の増額となり、補正後の予算額は1,336億8,424万2千円となるものでございます。
 なお、補正予算の財源につきましては、国庫支出金、県支出金、繰入金及び市債などで調整をさせていただいております。
 また、予算第2条で繰越明許費、第3条で債務負担行為、第4条で地方債につきまして、それぞれ補正をお願いしております。
 次に議案第2号から議案第8号につきましては、それぞれの特別会計・事業会計における、人件費の増額、国庫補助金等の決定などに伴う補正を行うものでございます。
 続いて、条例その他の議案ですが、まず、条例関係ですが、一部改正といたしまして、「所沢市個人情報の保護に関する法律施行条例等の一部改正」など、議案第19号から議案第34号までの16件を、また、条例廃止といたしまして、議案第35号の1件を提案しております。
 次に、その他の議案といたしまして、議案第36号は「請負契約の変更」について、議案第37号及び議案第38号は「財産の取得」について、議会の議決を求めるものです。
 最後に、議案第39号から議案第45号までは「市道路線の認定及び廃止」をお願いするものです。
 なお、提案理由等につきましては、それぞれ記載のとおりです。

むすび

 むすびに当たりまして、私が申し上げるまでもなく、所沢市は可能性の宝庫のまちでございます。市民の皆さまにとって、「所沢市民」でいらっしゃることを誇れるまちを、市民の皆さまお一人おひとりと、ご一緒につくってまいりたいと考えております。
 議員の皆さまにおかれましては、提出いたしました各議案につきまして、慎重ご審議のうえ、ご議決賜りますようお願い申し上げ、令和7年度の施政方針とさせていただきます。
 ご清聴誠にありがとうございました。

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所沢市 経営企画部 経営企画課
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