発達障害
更新日:2024年8月23日
お知らせ
発達障害啓発週間2024
国連総会で「世界自閉症啓発デー」と定められた4月2日には、世界各地で自閉症啓発に関する取組が実施されています。日本では、世界自閉症啓発デーからの1週間(4月2日から8日)を発達障害啓発週間と定め、自閉症をはじめとする発達障害への理解を促進する取り組みを進めています。
所沢市では、4月2日から8日までの一週間を「所沢市発達障害啓発事業」として、自閉症や発達障害に関する理解促進、普及啓発を図ることを目的とする、展示会・講演会を開催します。
発達障害啓発週間2024関連事業についてはこちら
はじめに
発達障害は脳機能の発達が関係する生まれつきの障害です。
広汎性発達障害(自閉症)、高機能広汎性発達障害(アスペルガー症候群・高機能自閉症)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害、知的障害などがあります。
発達障害がある人は、コミュニケーションや対人関係が苦手です。
そのため、「自分勝手」とか「変わった人」「困った人」と誤解されてしまうことも少なくありません。
決して親のしつけや教育の問題で起こるものではありません。
発達障害は、複数の障害が重なって現われることがあります。また年齢や生活環境などによって症状は違ってきます。ひと口に発達障害と言っても、ひとりひとりで違います。
ひとりひとりが本来持っている良い部分をできるだけ伸ばし、自立していけるようにかかわることや、自分に合ったより良い人生を送れるように早期からの専門的な療育や発達支援等を受けるなど、将来を見すえたかかわりが大切です。
自閉症
自閉症は、「言葉の発達の遅れ」「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、こだわり」などの特徴をもつ障害で、3歳までには何らかの症状がみられます。また、自閉症の人々の半数以上は知的障害を伴いますが、知能に遅れがない高機能自閉症の人々もいます。
最近では、症状が軽くても自閉症と同質の障害がある場合、自閉症スペクトラムと呼ばれることがあります。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群は広い意味での「自閉症」に含まれる一つのタイプで、「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、興味・関心のかたより」があります。
自閉症のように、幼児期に言葉の発達の遅れがないため、障害があることが分かりにくいのですが、成長とともに不器用さがはっきりすることが特徴です。
その人なりに得意なことも多いので、良い部分を伸ばして自信を持てるようにしていくことも大切です。落ち着いた環境では集団生活にうまく適応し学習意欲も高まることもあります。
注意欠陥多動性障害
「集中できない(不注意)」「じっとしていられない(多動・多弁)」「考えるよりも先に動く(衝動的な行動)」などを特徴する発達障害です。
注意欠陥多動性障害の特徴は、通常7歳以前に現われます。多動や不注意といった様子が目立つのは小・中学生ごろですが、思春期以降はこういった症状が目立たなくなるともいわれています。
学習障害
全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示すさまざまな状態をいいます。
周囲の対応について
できたことをほめる/できないことを叱らない
発達障害のある人は、ほかの人が簡単にできることでも、うまくできないことがあります。本人ができないことや失敗したことを責めたり、叱ったりすると、本人が「自分はだめだ」と落ち込んでしまったり、他の人や社会のせいにして批判的・攻撃的・反社会的行動傾向が強まったりしてしまいます。注意をする場合は、努力している点やうまく行っている点をほめたうえで、できなかったところは、どのようにすればもっとよくなるかを肯定的、具体的に伝えましょう。
視覚的な情報を提示して説明する
発達障害の人のなかでも、自閉症などの広汎性発達障害の特性をもっている人の多くは、言葉で言われるよりも、目で見て分かる情報のほうが理解しやすいといわれています。その人が理解している言葉を使い、写真や絵などを添えて説明してあげると、理解しやすくなります。
説明や指示は短い文で、順を追って具体的に
発達障害の子ども(人)はあいまいな表現を理解するのが苦手です。言葉で説明するときは、短い文で、一つずつ順を追って、具体的にすることなどを配慮しましょう。話を理解しやすくなり、見通しがもてるようになります。
安心できる環境を整える
自閉症の人たちの中には、人混みや大きな音、光などの刺激を苦手とする人が多くいます。そのような刺激による不快感を大きくしないよう、安心できる環境をつくってあげましょう。
善悪やルールをはっきりと教える
発達障害のある人は、暗黙の了解や社会のルールが分からないことがあります。いけないことや迷惑なことははっきり教えましょう。注意したり、叱ったりするだけでは、どうしたらよいのか分からないので、具体的にどのようにしたらよいかを教えましょう。
発達障害の子ども(人)を温かく見守る
子どもが騒いだり、パニックを起こしたりしているとき、「なぜ親は叱らないんだ」といら立つ場合があるかもしれません。しかし、発達障害の子の中には、少しの時間待つことで無理に叱るよりも早く混乱から抜け出せることもあります。周囲の人にこうした知識があるだけで、本人も家族も楽になれます。
2次障害とは
発達障害を持つ人が、周囲の理解を得られず、必要以上に叱られることや、いじめ等を体験することで、本来の障害の特徴とは別に、こころの問題が起きてしまうことです。
こころの問題の例
PTSD・うつ・解離性障害・適応障害・行為障害など
2次障害を起こす要因
必要以上に叱られ、注意される。
障害のため理解しにくいことや、まわりと同じようにできないことがあります。
家庭や学校などで周囲が「わざとやっている」「相手の気持ちを考えない」「何度言ってもダメ」等と叱られ過ぎると、本人は混乱し自信を失くしてしまいます。
周囲からのいじめ
相手の気持ちを理解しにくいため、行動や態度が場にそぐわず、いじめの対象になることがあります。わざとやっているのでも、悪意があるのでもありません。
虐待
親の言うことを聞かない子どもはとても育てにくいと思います。
また周囲から自分の子どもことで「困っている」「何とかして欲しい」等と言われ続けた場合、子どもも親もつらい立場に立たされてしまいます。
発達障害家族のつどいを開催しています
ご家族同士が、日々の生活での良かったことや苦労話、今悩んでいることなどを、なんでも語り合うことのできるつどいです。
18歳未満の方⇒発達障害児家族のつどい【松原学園】
18歳以上の方⇒発達障害家族のつどい【保健センター】
関連情報
わかりやすく解説されています。またパンフレットやサポート手帳等がダウンロードできます。
各都道府県等で、発達障害者の日常生活(行動やコミュニケーション等)についての相談支援や発達支援、就労支援(必要に応じて公共職業安定所、地域障害者職業センター及び障害者就業・生活支援センター等と連携)、普及啓発及び研修を行っています。
発達障害に関する調査・研究、国内外の研究成果等の情報収集・分析、本人や家族、全国の発達障害者支援機関及び一般国民に対して、発達障害に関する正確で信頼できる情報を発信・啓発を行う機関です。
軽度発達障害の子ども達が適切な教育を受け、就労、自立することを支援するため、平成17年1月に発足しました。会員は所沢市の軽度発達障害児の保護者と専門家、地域のボランティア等です。
お問い合わせ
所沢市健康推進部 保健センター健康管理課 こころの健康支援室
住所:〒359-0025 所沢市上安松1224番地の1
電話:04-2991-1812
FAX:04-2995-1178