第6次所沢市障害者支援計画(第7期障害者計画、第7期障害福祉計画、第3期障害児福祉計画)令和6年3月 所沢市 29ページ 第2章 施策展開 30ページ 第1節 施策体系 基本理念  ふれあい 寄り添い 支え合い 共に生きるまち ところざわ 施策分野  1.差別解消と権利擁護の推進 (p.32)  2.社会参加の促進と協働の推進 (p.36)  3.情報アクセシビリティの向上 (p.40)  4.安全・安心なまちづくり (p.44)  5.育ちと学びの充実 (p.48)  6.雇用・就労の促進 (p.52)  7.保健医療の充実 (p.56)  8.支援体制の充実 (p.60)  9.福祉サービス等の充実 (p.64) 施策分野の方向性  1の(1)差別解消の推進  1の(2)権利擁護の推進と虐待の防止  2の(1)社会参加の促進  2の(2)市民協働(相互理解)の推進  3の(1)一人ひとりに応じた丁寧な情報提供  3の(2)意思疎通支援の充実  4の(1)総合的な福祉のまちづくりの推進  4の(2)防災・防犯体制の整備  5の(1)幼児期における教育・保育の充実  5の(2)インクルーシブ教育システムの推進  5の(3)生涯を通じた多様な学習活動の充実  6の(1)雇用の場の創出  6の(2)就労の実現と職場定着に向けた支援  7の(1)予防・治療の充実  7の(2)保健事業の推進  7の(3)地域の保健医療体制の充実  8の(1)相談支援の充実  8の(2)地域の支援体制の充実  9の(1)自立した生活に向けた支援の充実  9の(2)重度障害者支援の充実  9の(3)福祉サービス等の充実 31ページ 第1節 施策体系(つづき) 取組内容  1の(1)@差別解消に向けた周知啓発活動の充実  1の(2)@権利擁護の推進 A虐待の防止  2の(1)@社会活動への参加支援 A障害者団体や地域活動支援センターへの支援  2の(2)@啓発・広報活動の充実 Aボランティア活動の促進 B地域交流活動の促進  3の(1)@行政情報のアクセシビリティ向上 A情報提供の充実  3の(2)@コミュニケーション支援体制の充実 A障害に関する理解の啓発  4の(1)@福祉のまちづくりの推進 A住宅環境の整備 B移動しやすい環境の整備  4の(2)@情報提供の充実 A防災体制の整備 B災害時の応急体制の整備 C防犯体制の充実  5の(1)@教育・保育環境の整備  5の(2)@教育体制の整備 A教育環境の整備  5の(3)@学習機会・内容の充実  6の(1)@障害者雇用の促進と就業機会の確保  6の(2)@就労に向けた支援 A福祉的就労の充実 B訓練の機会の充実  7の(1)@障害の予防・早期発見体制の充実 A障害の治療・軽減・補完施策の充実  7の(2)@健康づくりの充実 A保健事業の充実  7の(3)@地域医療の充実 A精神保健体制の充実  8の(1)@総合的な相談体制の確立 Aケアマネジメントの充実  8の(2)@精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 A地域生活支援拠点の整備 Bサービスの質の向上  9の(1)@生活環境の整備 A意思決定支援の推進 B経済的自立の促進  9の(2)@医療的ケア児等への支援 A重度障害者への支援 B施設入所支援  9の(3)@障害者・障害児向けサービスの充実 32ページ 1.差別解消と権利擁護の推進 「所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例」を施行し、障害に関する理解の浸透を図っていますが、障害に対するハード面・ソフト面共に様々な社会的障壁は今なお存在しています。このような状況を解消していくためにも、障害者に対する差別解消と権利擁護を推進していく必要があります。 <所沢市のこれまでの主な取組> 障害に関する理解の啓発  障害に関する理解の浸透を図るために、公的機関・民間事業者等を対象とした出前講座、発達障害に関する講演会やパネル展示、精神障害について理解を深める講座等を開催するとともに、障害理解を進める市民活動を支援しました。 社会的障壁の除去  出前講座の中で、障害の理解や社会側にある障壁について説明しています。 また、筆談ボードやスロープの設置等による社会的障壁の除去を目的とした物品購入等に対し補助金を交付し支援を行いました。 虐待や差別に対する適切な対応 障害者虐待防止法の趣旨・通報義務を周知し、所沢市基幹相談支援センター※1を中心とする委託相談支援事業所※2等と連携し、虐待発生時の対応および体制整備に取り組みました。 また、差別の相談があった際は、事実確認等を行い障害者差別解消法や所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例に基づいて対応を行っています。  権利擁護に関する相談 所沢市こどもと福祉の未来館内の所沢市成年後見センターや委託相談支援事業所で権利擁護に関する相談支援を行いました。 ※1所沢市基幹相談支援センター…地域における相談支援の中核的な機関。総合的・専門的な相談支援、地域の相談支援事業者間の連絡調整、関係機関の連携の支援等を行う。 ※2委託相談支援事業所…市から委託を受け、日常生活の不安や施設の紹介など、障害者やその家族からの多種多様な相談を受け付ける事業所。 33ページ <主要な課題> 課題@ 障害者差別の解消 ・現在生じている差別解消(身近な地域における障害理解の浸透) ・将来にかけての差別解消(幼少期からの障害理解の必要性) ・民間企業や所沢市職員における適切な合理的配慮の提供 課題A 権利擁護・虐待防止 ・判断能力が十分ではない方に対する適切な支援 ・市民、事業者等の障害者虐待に対する正しい認識 ・虐待対応の適切かつ迅速な確認調査と継続的な対応の実施 <アンケート結果より> 1.差別を受けたり嫌な思いをした場面 [障害者・障害児]  差別を受けたり嫌な思いをしたことがある人にどのような場面だったかを尋ねたところ、障害児では70%が「学校・幼稚園・保育所・児童館」と答えています。こうした場所での出前講座や小中学校での障害理解教育などの取組が引き続き求められています。 障害者 障害児  回答総数 408 159  1.職場 32% 0%  2.学校・幼稚園・保育所・児童館 31% 70%  3.電車やバス等の公共交通機関 28% 24%  4.買い物やレジャー先 23% 35%  5.近所とのつきあい・自治会・町内会 17% 16%  6.病院等の医療機関 16% 14%  7.市役所や公民館等の公共施設 5% 8%  8.障害福祉サービス事業所 5% 3%  9.災害等の避難時 1% 1%  10.その他 13% 9%  11.わからない 4% 1% 2.所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例の認知度[障害サービス提供事業所]  障害サービス提供事業所に所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例を知っているか尋ねたところ、「内容を知っている」が56%、「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」が38%となっており、条例を知っている事業所が94%を占め、前回調査時に比べ着実に認知度があがっています。今後も事業者向けの条例周知や出前講座による啓発活動に引き続き取り組むことが求められています。 事業所  回答総数 133  1.内容を知っている 56%  2.聞いたことはあるが、詳しくは知らない 38%  3.知らない、聞いたことがない 6% 34ページ <今後の方向性> (1)差別解消の推進 @差別解消に向けた周知啓発活動の充実  障害者差別の解消を図っていくために、市民や事業者に対して、所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例を周知するとともに、出前講座等の啓発活動を実施します。さらに、所沢市における障害理解の浸透と合理的配慮の提供へとつなげていくために、市職員に対しても周知啓発の徹底を図ります。また、将来にかけて差別のない社会を作るために、市内の公立小中学校において、障害理解教育を推進します。 (2)権利擁護の推進と虐待の防止 @権利擁護の推進  判断能力が十分ではない方を支援するため、所沢市こどもと福祉の未来館内の所沢市成年後見センターや委託相談支援事業所による適切な情報提供や相談支援を通じて、成年後見制度※1の周知啓発及び利用促進を図ります。 A虐待の防止  障害者虐待防止法に関する趣旨や通報義務などの周知に努めるとともに、障害者虐待防止・対応マニュアルに基づき、所沢市基幹相談支援センターを中心とする市内の委託相談支援事業所と連携して対応することで、障害者の権利擁護を図ります。 <目標・指標>  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例に関する職員研修の受講者数(累計) 1,229人 1,830人  説明:所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例の周知啓発に向けた職員研修の受講者数です。  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 障害者やその家族等に向けた成年後見制度に関する出前講座の受講者数 197人 220人 説明:成年後見制度の周知啓発及び利用促進のために行う、障害者やその家族及び関係者に向けた出前講座の受講者数です。 ※1成年後見制度…認知症、知的障害、精神障害等により判断能力が不十分であるため、財産侵害を受けたり、人間としての尊厳が損なわれたりすることがないよう、選任された支援者(成年後見人等)により、法律面や生活面で支援する制度。 35ページ コラム 所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例とは 【条例の趣旨】 平成30年3月制定。同年7月施行。障害のある人もない人も共に支え合い、認め合い、人と人との絆を感じながら、笑顔でいきいきと地域で自立して生活できる共生社会の実現を目指す。 【条例の特徴】 @市・市民・事業者の責務に加え、障害のある人の役割を定める。 A手話、非音声言語等が言語であることを基本理念とする。 B障害者への配慮に向けた取組ができるよう市が必要な支援を行う。 C社会的障壁の除去に関するあっせん調整委員会の設置 【条例の目指す共生社会の実現】 図 共生社会の実現 障害理解の浸透 物理的な環境の整備 障害のある人に対する不利益な取り扱いの禁止 社会的障壁の除去 合理的配慮の提供(令和6年4月の法改正により、事業者も義務化になります) ハード・ソフトの両面から推進 実現に向けた取組例 ・市民、事業者の障害理解の拡散及び浸透による社会的障壁の除去 (出前講座の実施、パンフレットの配布、広報等での周知及び啓発等) ・市職員の障害理解の浸透による合理的配慮の提供(職員研修の実施等) ・障害のある人もない人も関わる交流の機会の提供による障害理解の拡散 (障害者週間記念事業、障害のある人もない人も誰でもできるワークショップ等) ・事業者の社会的障壁の除去補助金の活用による、物理的な環境の整備 (車いす等の物品の購入、手すりやスロープ等の設置や工事等) ・筆談ボードの購入及び配布による、社会的障壁の除去(大型店舗への筆談ボードの設置) 共生社会の実現〜障害のある人もない人も共に生きるまち〜 36ページ 2.社会参加の促進と協働の推進 障害者が地域でいきいきと暮らしていくためには、スポーツや文化芸術活動などの社会参加の活動機会を創出し、地域との交流などを通じて、市民の障害に対する理解の浸透を推進していく必要があります。 <所沢市のこれまでの主な取組> 社会活動への参加支援 障害もある人もない人も共に参加できる書道やダンス等のワークショップを開催することで文化芸術、レクリエーションの機会を創出しました。 また、障害者団体への活動支援や、当事者のつどいの機会の提供、障害者の社会参加の促進と地域社会への啓発の推進を目的とする事業へ、後援・協賛の許可を行っています。 全ての投票所入場整理券に点字と音声コード(uni-voice)を導入し、選挙会場のバリアフリー化を推進しました。 活動内容・成果を発表する機会の創出 所沢市立障害者施設・地域活動支援センターの参加による障害者作品展や、こころの美術展等を開催しました。また、障害者週間記念事業として障害者による作品や福祉機器展示、市内障害者施設の販売コーナー等のイベントを開催しました。 地域活動支援センターへの支援 障害者手帳や障害福祉サービス受給者証の有無に関わらず、障害のある方が利用できる「地域活動支援センター」へ補助金を交付し支援を行いました。障害者等の地域生活支援の促進を目的とし、創作的活動や生産活動、社会との交流などの活動を主に行っています。 37ページ <主要な課題> 課題@ 障害者の社会参加の促進 ・スポーツ・文化芸術活動等の機会の創出及び参加支援 ・障害者の社会参加に必要な配慮 ・障害者やその家族同士が協力して活動するための支援 課題A 障害者と市民との相互理解 ・障害者が活躍できる場の創出と市民参加の促進 ・地域における交流の機会の確保 ・地域における障害に関する理解促進 <アンケート結果より> 1.障害者の社会参加のために、特に大切に思うこと [障害者・児・市民]  障害者の社会参加について大切なこととして、障害当事者と市民どちらも「障害や障害者に対する理解を深める」が上位に挙がっているほか、市民からは障害当事者が「使いやすい施設」なども挙がっています。市では、障害者が文化・スポーツ活動を楽しめる所沢サン・アビリティーズ※1などの活動の場を整備し支援しています。 障害者・児 市民  回答総数 1,571 195  1.地域や社会が障害や障害のある人に対する理解を深める 47% 49%  2.障害のある人が使いやすい施設を整備する 40% 54%  3.移動が困難な人に配慮して、交通機関や道路を整備する 36% 43%  4.障害のある人が参加しやすい地域活動やイベントなどの機会を増やす 26% 45%  5.障害のある人が障害のない人と交流できる場を整備する 23% 33%  6.障害のある人本人や家族同士が協力しあう 16% 12%  7.ボランティアをもっと育成する 11% 17%  8.その他 4% 3%  9.わからない 11% 5% 2.スポーツ・文化芸術活動に取り組みたいか [障害者・児]  障害当事者にスポーツや文化芸術活動に取り組みたいかを尋ねたところ、「取り組みたい・すでに取り組んでいる」と「やや取り組みたい」がともに18%、合計36%が取り組みたい意向であるのに対し、「取り組みたくない」「あまり取り組みたくない」は合計で20%となっています。コロナ禍もあり前回調査より取り組みたい人がやや減っていますが、参加したくなる企画や使いやすい環境づくりに引き続き取り組んでいく必要があります。 障害者・児  回答総数 1,571  1.取り組みたい・既に取り組んでいる 18%  2.やや取り組みたい 18%  3.どちらともいえない 21%  4.あまり取り組みたくない 11%  5.取り組みたくない 9%  6.わからない 19%  7.無回答 4% ※1所沢サン・アビリティーズ…障害者の文化、教養、体力の向上を図ることを目的とした施設。館内には、体育室をはじめ、学習・会議に使える研修室、お茶・お花などに利用できる教養文化室、楽器やコーラスの練習ができる音楽室などの設備が整えられている。 38ページ <今後の方向性> (1)社会参加の促進 @社会活動への参加支援  文化芸術活動等の発表、参加の機会の提供や投票所のバリアフリー化の推進等を通じて、障害者の社会参加を支援します。 A障害者団体や地域活動支援センターへの活動支援  障害者団体の活動を促進するため、団体の運営費の補助や活動に対する支援を行います。また、地域活動支援センターへ補助金を交付することで、運営の支援を行います。 (2)市民協働(相互理解)の推進 @啓発・広報活動の充実  障害者週間記念事業として実施するイベントをはじめ、障害者が活躍できる場を創出し、多くの市民の参加を促すことで地域における障害理解の促進を図ります。 Aボランティア活動の促進  ボランティア活動に関する情報提供を行うとともに、ボランティアセンター等と連携し、地域ボランティアの活動を支援します。 B地域交流活動の促進  所沢市民フェスティバル等の広く市民が集まるイベントや地域の行事、学校の活動等において障害者の参加を促し、障害者施設・団体の活動紹介や体験活動を行うことで、障害や福祉活動への理解を深める取組を進めます。 39ページ  <目標・指標>  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 所沢サン・アビリティーズ及び所沢市こどもと福祉の未来館を利用した障害者数 12,452人 15,500人 説明:所沢サン・アビリティーズ及び所沢市こどもと福祉の未来館を利用した障害者数  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 障害者作品展及び障害者週間記念事業来場者数 4,467人 4,700人 説明:障害者施設作品展及び障害者週間記念事業として行う、障害者作品展等のイベント来場者数の合計です コラム 障害のある人もない人も誰でもできるワークショップ 障害者の個性と能力の発揮及び社会参加を促進することを目的とした、「障害者の芸術文化活動の推進に関する取組」として、令和5年度は3つの障害のある人もない人も誰でもできるワークショップを実施しました。今後もワークショップを開催することで、芸術文化活動への参加の機会を創出していきます。 (筆遊びワークショップ、ドライフラワーでクリスマスケーキを作ろう!、和太鼓演奏会&ワークショップなど) 障害者週間記念事業 市では毎年12月の障害者週間に合わせ、障害者作品展と障害者週間記念イベントを開催しています。 令和5年12月1日から8日の障害者作品展には、約2,000人が来場し作品をお楽しみいただきました。また、展示された252点の作品の中から「トコろん賞」を選出しました。(選出された作品はP68〜P69に掲載) 障害者週間記念イベントは所沢市こどもと福祉の未来館において、市内障害福祉事業所による歌や踊り等の活動発表会、雑貨や菓子等の販売コーナー、所沢市観光大使JAY’S GARDENによるリズム遊びとライブを開催しました。約400名の方に来場いただき「障害のある人と触れあえてよかった」、「歌や踊り等、一生懸命さに感動した」など好評いただいています。 計画期間中のスポーツの祭典 2024年 パラリンピック夏季大会(フランス・パリ) 2025年 デフリンピック夏季大会(日本・東京都) 2026年 アジアパラ競技大会(愛知県) 40ページ  3.情報アクセシビリティの向上 障害者が必要な時に適切な情報にアクセスするため、情報アクセシビリティ※1の向上を推進していく必要があります。あわせて、障害者が円滑に意思表示やコミュニケーションを行うことができるよう、意思疎通支援を担う人材の育成・確保が必要です。 <所沢市のこれまでの主な取組> 手話通訳・要約筆記 必要な情報を取得し、意思疎通を図ることができるよう、手話通訳者や要約筆記者の派遣と養成を行いました。 点訳・音訳※2 必要な情報を取得するコミュニケーション支援として、点訳・音訳ボランティア講習会を開催し、支援者の養成を図りました。 代読支援 所沢図書館において、書籍等の対面朗読のサービスを行いました。 多様な広報媒体の活用 多様な広報媒体を活用し、視覚障害者用広報の作成や市ホームページの読み上げへの配慮、市公式動画の字幕表示等、わかりやすい情報の発信に努めました。 ※1情報アクセシビリティ…情報の取得や意思疎通に関係する、機器やサービスを円滑に利用できること。 ※2点訳・音訳…点訳とは言葉や文字を点字(紙面にとび出した六つの点を組み合わせて判読する文字の符号)に訳すこと。音訳とは文字を音声に訳すことをいい、録音図書を製作すること全体を含めて音訳(音声訳)と言う。 41ページ <主要な課題> 課題@ 障害特性に配慮した適切な情報発信 ・多様な情報取得手段の選択肢の増加 ・質の高い情報提供 課題A 必要な意思疎通支援者の確保 ・手話通訳者・要約筆記者の派遣・養成 ・点訳・音訳ボランティアの養成 <アンケート結果より> 1.情報のやり取りをするために必要なこと [障害者・障害児]  情報のやり取りをするために必要なことを尋ねたところ、障害児では「わかりやすい表現で作成されたものやフリガナがある」が多くなっています。「特にない」という回答を除けば、障害者・障害児ともに「メールやチャット等が利用できる」も多くなっています。情報のやり取りのために、障害特性に適した手段の利用とともに、新しいツールの活用も求められています。 障害者 障害児  回答総数 1,215 356  1.メールやチャット等が利用できる 26% 17%  2.わかりやすい表現で作成されたものやフリガナがある 17% 40%  3.代読や代筆サービスが利用できる 6% 7%  4.音声コードが付加されている 3% 2%  5.手話や筆談を行える 2% 3%  6.点字版やデイジー版が利用できる 1% 1%  7.特にない 42% 37% 2.情報のやり取りをするために必要なこと [身体障害者/障害部位別]  障害の部位によって情報のやり取りのために必要なことは異なります。例えば視覚障害では「代読や代筆サービス」、聴覚障害では「手話や筆談」など。一方、「わかりやすい表現」や「メールやチャット」は誰にでも共通で必要な手段であり、今後も充実が求められます。 視覚  第1位 代読や代筆サービスが利用できる  第2位 わかりやすい表現で作成されたものやフリガナがある  第3位 特にない 聴覚  第1位 メールやチャット等が利用できる  第2位 手話や筆談を行える  第3位 特にない 平衡機能  第1位 特にない  第2位 メールやチャット等が利用できる  第3位 わかりやすい表現で作成されたものやフリガナがある 音声・言語・そしゃく機能  第1位 メールやチャット等が利用できる  第2位 代読や代筆サービスが利用できる  第3位 特にない 肢体不自由  第1位 特にない  第2位 メールやチャット等が利用できる  第3位 わかりやすい表現で作成されたものやフリガナがある 内部障害  第1位 特にない  第2位 メールやチャット等が利用できる  第3位 わかりやすい表現で作成されたものやフリガナがある 42ページ <今後の方向性> (1)一人ひとりに応じた丁寧な情報提供 @行政情報のアクセシビリティ向上  視覚障害者用広報の作成や市ホームページの読み上げへの配慮、市公式動画の手話及び字幕表示等、行政が発信する情報のアクセシビリティの向上に取り組みます。  また、所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例に基づき、障害者が自ら選択する意思疎通手段を用いるための相談への対応や支援を行います。 A情報提供の充実  広報紙や市ホームページ、市公式動画等の多様な広報媒体を活用して、情報提供を行います。また、様々な障害特性に配慮した対象者に伝わりやすい適切な情報の発信に努め、必要な情報取得の選択をしていただくとともに、ICT※1の活用・導入について、国・県の動向を注視しつつ研究を進めてまいります。 (2)意思疎通支援の充実  @コミュニケーション支援体制の充実  聴覚障害者の社会参加や意思疎通を支援するため手話通訳者、要約筆記者の派遣を行うとともに、手話通訳者や要約筆記者の養成講習を実施し、市内の支援体制の充実を図ります。  また、視覚障害者に対するコミュニケーション支援として、点訳や音訳ボランティアの育成を支援します。 A障害に関する理解の啓発  障害に関する理解の浸透を図るために、公的機関・民間事業者等を対象とした出前講座を開催しています。講座では障害特性に応じた情報発信等を伝えており、今後もその取組を継続していきます。 ※1ICT…「情報通信技術」を意味する言葉。メールやチャット、ネット検索などの通信技術を使って人とインターネット、または人と人がつながることを表す。 43ページ <目標・指標>  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 ウェブアクセシビリティ※1向上のためホームページ操作研修の受講者数(累計) 151人 325人 説明:所沢市職員のウェブアクセシビリティ向上のためのホームページ操作研修の受講者数の累計です。  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 所沢市手話通訳・要約筆記派遣事務所の利用件数 2,423件 2,440件 説明:聴覚障害者への手話通訳者派遣、要約筆記者派遣、電話通訳、来所相談の合計件数です。 コラム 障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)が令和4年に施行され、全ての障害者が、社会、経済、文化等あらゆる分野の活動に参加するために、障害者が必要とする情報へのアクセシビリティを向上させることやコミュニケーションの手段を充実させることが求められています。 本市では、意思疎通支援者の確保・養成・資質の向上の取り組みとして、手話通訳者や要約筆記者の派遣及び確保、点訳・音訳ボランティア講習会を開催し、支援者の養成を図りました。 あなたも簡単!手話トーク 障害者による情報取得等の重要性に関する関心・理解を深めるための広報・啓発活動の充実などの一環として、手話の普及啓発を目的に「あなたも簡単!手話トーク」を広報ところざわに掲載するとともに、所沢市公式YouTubeチャンネルにて動画を公開し、手話での会話や単語の紹介を行いました。令和5年度までに21回掲載し、読者アンケートでも、たくさんの好評の声をいただいています。所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例においても、「手話が言語である」ことを明記しており、手話の普及啓発に大きな効果をもたらしています。 簡単な季節の会話から始まった「手話トーク」ですが、回を重ねるごとに市内の様々な場所に赴いて撮影を行うようになり、今では市の魅力発信や障害に関するトピックスの紹介などの役割も担っています。これは、情報アクセシビリティ推進法が推し進める、様々な手段による情報の取得にも寄与しています。 右記より市ホームページにアクセス出来ますので、ぜひご覧ください!(QRコード) ※1ウェブアクセシビリティ…利用者の障害などの有無やその度合い、年齢や利用環境にかかわらず、あらゆる人々がウェブサイトで提供されている情報やサービスを利用できること、またその到達度のこと。 44ページ 4.安全・安心なまちづくり 障害のある人もない人も、誰もが地域で安心して暮らしていくことができるよう、ハード面の整備を進めるとともに、災害に対応できる地域の体制づくりや防犯対策を推進していく必要があります。 <所沢市のこれまでの主な取組> 福祉のまちづくりの推進 埼玉県福祉のまちづくり条例や所沢市都市計画マスタープランに基づき、まちづくりを進めました。 災害等に備えた体制整備 障害者支援担当部署の業務を含む市のBCPの策定、障害者へ配慮した福祉避難所の整備を進めました。 安全な生活の推進 障害者をはじめ市民の安全な暮らしを守るため、地域住民による自主防災組織や自主防犯団体への支援を行いました。 45ページ <主要な課題> 課題@ バリアフリーのまちづくり ・公共交通機関の利便性向上 ・障害者も安心して通れる道路の確保(歩車分離) 課題A 災害時の不安軽減 ・災害や避難に関する適切な情報発信 ・防災体制の整備 <アンケート結果より> 1.外出の時に困ったり、不便に感じること [障害者・障害児]  外出時に困ったり、不便に感じることを尋ねたところ、「特にない」という回答を除けば、障害者では「電車・バス・タクシーの料金が高い」という回答が多く、「道路が狭い・路上に障害物がある」という回答も障害者・障害児ともに多くなっています。今後も安全な道路づくりなどを進めていく必要があります。 障害者 障害児  回答総数 1,215 356  1.電車・バス・タクシーの料金が高い 25% 15%  2.道路が狭い・路上に障害物がある 23% 26%  3.交通機関の乗り場が自宅から遠い 18% 13%  4.障害のある人が利用できるトイレが少ない 15% 17%  5.駅やバス停のバリアフリー化が不十分 15% 10%  6.公共施設のバリアフリー化が不十分 11% 8%  7.障害のある人が利用できるお店が少ない 10% 17%  8.道路標識や案内表示がわかりにくい 7% 9%  9.点字ブロックや盲人用の信号がない 3% 2%  10.その他 6% 6%  11.特にない 31% 36% 2.災害時に不安に思うこと [障害者・障害児]  災害時に不安に思うことを尋ねたところ、障害児では「自力で避難できない」「周囲とコミュニケーションがとれない」「救助を求めることができない」など避難以前の課題が、障害者では「投薬や治療が受けられない」「電力が確保できるかわからない」など避難後の課題が挙がっており、災害時の避難のあり方などを含めた防災対策が求められています。 障害者 障害児  回答総数 1,215 356  1.投薬や治療が受けられない 35% 22%  2.電力が確保できるかわからない 31% 23%  3.自力で避難できない 25% 42%  4.避難所の設備や生活環境が不十分 25% 29%  5.避難先がわからない 19% 18%  6.周囲とコミュニケーションがとれない 17% 34%  7.避難に関する情報が入手できない 15% 24%  8.救助を求めることができない 13% 30%  9.補装具や日常生活用具が入手できない 9% 6%  10.補装具や日常生活用具が使用できない 7% 4%  11.その他 5% 6%  12,不安に思うことはない 13% 13% 46ページ <今後の方向性>  (1)総合的な福祉のまちづくりの推進 @福祉のまちづくりの推進  埼玉県福祉のまちづくり条例、所沢市都市計画マスタープランに基づき、建物等のバリアフリー化を促進するとともに、整備・改修に当たってはユニバーサルデザイン※1を取り入れ、誰もが生活しやすい環境整備に努めます。 A住宅環境の整備  入居を希望する障害者に対して市営住宅における抽選倍率の優遇措置を実施するとともに、障害者や高齢者に配慮した整備・改善に努めます。また、賃貸住宅入居希望者に対し賃貸借契約や入居後の生活についての相談支援を行います。 B移動しやすい環境の整備  鉄道事業者やバス事業者に対してバリアフリー推進の働きかけを行うとともに、ところバスの路線・ダイアの見直しやところワゴンの運行により、移動しやすい環境の整備に努めます。 また、狭あい道路の拡幅や歩道の整備において、誰もが安全・安心に利用できる歩行者空間の確保に努めます。 (2)防災・防犯体制の整備  @情報提供の充実  防災情報を防災行政無線やところざわほっとメール、市ホームページ、新たに導入した「臨時災害FM放送(77.1MHz)」など様々な手段で情報を得ることが可能です。  また、「防災ガイド・避難所マップ」のデジタル化により、読み上げ機能やポップアップ機能が利用できるようになりましたが、引き続き障害がある方でも容易に情報を得ることができるよう検討を進めます。 A防災体制の整備  障害がある要支援者の避難先として二次避難所となる「予備福祉避難所※2」及び直接福祉施設への避難を可能とする「指定福祉避難所※2」の整備に向けて、市内に障害者施設を持つ社会福祉法人等との協定締結を進めます。 ※1ユニバーサルデザイン…基本的人権の尊重を基本理念として、障害の有無、年齢、性別、国籍、人種などにかかわらず、全ての人が心豊かに暮らせるような社会を創っていこうとする考え方。 ※2予備福祉避難所、指定福祉避難所…避難所では十分な救援、救護活動が実施できないと認められた障害者や高齢者等の要配慮者を受け入れるための避難所。指定避難所に避難した要配慮者の二次避難所となる予備福祉避難所と、直接避難を可能とする指定福祉避難所がある。 47ページ  B災害時の応急体制の整備  避難行動要支援者の災害時の避難支援等を更に実効性のあるものにするために「個別避難計画」を作成します。  また、被災した障害者に対する各事業所での緊急対応や相談など、支援体制の整備を推進します。 C防犯体制の充実  街頭キャンペーンや広報活動を通じて地域安全活動への啓発を行うとともに、自主防犯団体の活動を支援します。 <目標・指標>  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 災害時における福祉避難所施設利用等に関する協定締結件数 19件 24件 説明:指定避難所での避難生活に支障がある障害者等、要配慮者に対応できる福祉避難所としての施設利用や運営支援等に関する協定締結件数です。 コラム 自助・共助・公助:障害のある人もない人も、みんなで災害に備えよう 自助 まずは、在宅避難の環境を整える ○家具の転倒予防など、自宅内の安全確保 ○水・食料の備蓄(3日分以上、できれば7日分以上) ○電源など、障害特性に応じ生活に必要な備えも ○災害時の家族との連絡手段や集合場所・避難場所をハザードマップ確認の上で決めておく など 共助 孤立を防ぎ、いざというときに、助け合える地域をつくる ○避難行動要支援者(障害者や、介護を必要とする高齢者など)の把握 ○安否確認の方法を地域で共有 ○防災訓練の実施 など 公助 個人や地域で備えきれないところを支える ○指定避難所(一時避難所)・福祉避難所(二次避難所)等の整備 ○情報発信(防災無線・ところざわほっとメール) ○生活物資の備蓄や防災資器材の整備 ○災害時応援協定 など 災害への備えに、埼玉県ホームページ「イツモ防災」が役立ちます(QRコード) アプリ「カタログポケット」にて各ハザードマップの他、防災ガイド・避難所マップ等をご覧いただけます(QRコード) 48ページ  5.育ちと学びの充実 障害児等が、就学の前後を問わず、適切な保育・教育を受けられるよう、環境の整備を進めていく必要があります。また、学校外の活動においても、教育やスポーツ、文化芸術等の様々な機会に親しむことができるよう、施策を推進していく必要があります。 <所沢市のこれまでの主な取組> 保育園での障害児等の受入 混合保育※1として保育園で障害児の受入れや、医療的ケア児の受入れを行うとともに、巡回指導等により保育者の知識・技量の向上に努めています。 教育環境の整備 児童生徒へのICT端末の配備を進めたほか、通常学級、特別支援学級、通級指導教室※2、特別支援学校間の連携を深めるとともに、各種支援員等を配置しています。 放課後児童クラブ 放課後の時間帯における適切な遊びや生活の場の提供として、障害児等が放課後児童クラブに通えるよう配慮しました。 ※1混合保育…発達に配慮が必要な児童が、保育園等において、他の児童と共に生活することで、相互の健全な成長発達を促すことを目的とした制度。 ※2通級指導教室…小中学校の通常学級に在籍している心身に軽度の障害がある児童生徒へ、心身の障害に応じた特別の指導を特別な場で行うもの。 49ページ <主要な課題> 課題@ 幼児期における環境整備 ・保育者の知識・技量の向上のための取組 ・障害児の受入れが可能な人員配置 課題A 学校の教育体制・教育環境 ・特別支援教育に関する研修の充実 ・学び方の異なる児童生徒への多様な支援方法の工夫と共有 ・学校における児童生徒の障害に応じた教育環境の確保 課題B 学習活動の充実 ・障害児と同世代のこどもとの交流等による多様な学習活動への支援 <アンケート結果より> 1.保育所、幼稚園、学校等で過ごすに当たっての悩み [障害児]  保育所、幼稚園、学校等で過ごすに当たっての悩みを尋ねたところ、「特にない」という回答を除けば、「卒業後の進路」や「専門知識のある先生が少ない」など多様な悩みが挙がっています。一人ひとりの幼児期から学童期への育ちと学びに寄り添う支援が求められています。 ※上位10項目まで 障害児  回答総数 344  1.卒業後の進路がイメージできない 27%  2.専門知識のある先生が少ない 15%  3.先生や補助する人の数が足りない 12%  4.園・学校と児童発達支援・放課後等デイサービス・その他の支援等との連携が十分でない 10%  5.通園・通学が不便 10%  6.園内・学校内での様子が家庭に十分伝わらない 9%  7.授業や活動についていけない 9%  8.先生の理解が足りない 8%  9.受け入れてくれる園や学校が少ない 7%  10.特に悩んでいることはない 35% 2.平日の日中を過ごしているところ [医療的ケア児]  医療的ケア児※1に平日の日中を過ごしているところを尋ねたところ、「自宅」が半数以上となっているほか、特別支援学校などに通っている人も一定割合みられます。今後もインクルーシブ教育システム※2の推進により、特別な配慮を要する児童生徒もともに学べる環境づくりが求められます。 医療的ケア児  回答総数 21  1.自宅 52%  2.特別支援学校(小学部 ・ 中学部 ・ 高等部) 43%  3.児童発達支援 33%  4.放課後等デイサービス 29%  5.日中一時支援事業所 14%  6.保育所・幼稚園 5% ※1医療的ケア児…人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のこと。 ※2インクルーシブ教育システム…人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組。 50ページ <今後の方向性>  (1)幼児期における教育・保育の充実 @教育・保育環境の整備  巡回指導や研修により、保育者の知識・技量の向上を図るとともに、保育園、幼稚園と通所支援事業所等の連携に努めていきます。  また、民間の保育園、幼稚園等が障害児を受け入れるために職員を雇用する場合の経費の一部を補助します。 (2)インクルーシブ教育システムの推進  @教育体制の整備  通常の学級において特別な配慮を要する児童生徒に対しては、特別支援教育支援員※1を配置し、支援を行います。  連続性のある「多様な学びの場」の充実に向け、通級指導教室、特別支援学級の計画的な設置を検討していきます。また、特別支援学校との連携を深め、支援籍学習※2を拡充するとともに、交流や共同学習を推進します。  また、研修等を通じて教職員に対する特別支援教育への理解促進を図るとともに、福祉関係機関や地域のボランティアとの連携により、総合的な学習の時間の体験活動等を通して福祉教育の充実を図ります。 A教育環境の整備  ICT技術を活用した多様な特性へ対応した教育の提供を進めます。  小中学校からの要望に対して、児童生徒の障害に応じた必要な改修を行うとともに、校舎等の増築・改築工事や大規模改修工事に併せて、バリアフリー法や埼玉県福祉のまちづくり条例に基づきバリアフリー改修を行います。 (3)生涯を通じた多様な学習活動の充実  @学習機会・内容の充実  放課後児童クラブで障害児等の受入れを行うほか、障害児通所支援※3事業所と市内保育園の交流を行い、子どもたちが共に成長する機会を設けます。また、生涯学習推進センターや公民館では、学習講座の受入れ体制等の環境整備や各ライフステージにおける多様な学習活動への支援を推進していきます。 ※1特別支援教育支援員…通常の学級において、特別の配慮を必要とする児童生徒のために、学習活動上のサポートや日常生活の介助を行う支援員。 ※2支援籍学習…障害のある児童生徒が、在籍する学校または学級以外にも学籍(支援籍)を置くことで必要な学習活動を行う、埼玉県独自の仕組。 ※3障害児通所支援…心身の発達に何らかの心配や障害のある子どもが、遊びや運動など小集団(又は個別)の活動を通じて成長していけるよう支援する、児童福祉法上のサービス。 51ページ <目標・指標>  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 保育園等の障害児保育への巡回指導の件数 1,592件 1,610件 説明:障害児を受け入れている保育園・幼稚園を巡回し、保育士等職員への指導・助言を行った件数です。  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 特別支援教育や障害者に対する理解促進のための取組を行った学校の割合 93.6% 100% 説明:市内の公立小中学校において、児童生徒や保護者を対象として、特別支援教育や障害者に対する理解促進に向けた取組を行った学校の割合です。 コラム 家庭・教育・福祉:それぞれの役割を果たしながら手を取り合う 障害児が自立し、本人の希望を尊重した社会生活を獲得し、本人も家族も幸福であるためには、障害児それぞれの様々な特性に合わせた育ちと学びの環境整備に向けて、家庭・教育・福祉の連携が大切です。 あわせて、社会全体としても、こども基本法(令和5年4月1日施行)の基本理念※にのっとり、子供たちの育ちと学びを温かく支えていく役割が求められています。 ※@すべてのこどもは大切にされ、基本的な人権が守られ、差別されないこと。Aすべてのこどもは、大事に育てられ、生活が守られ、愛され、保護される権利が守られ、平等に教育を受けられること。B年齢や発達の程度により、自分に直接関係することに意見を言えたり、社会のさまざまな活動に参加できること。Cすべてのこどもは年齢や発達の程度に応じて、意見が尊重され、こどもの今とこれからにとって最もよいことが優先して考えられること。D子育ては家庭を基本としながら、そのサポートが十分に行われ、家庭で育つことが難しいこどもも、家庭と同様の環境が確保されること。E家庭や子育てに夢を持ち、喜びを感じられる社会をつくること。 図 連携・情報共有 家庭 家庭生活の中で、整った生活リズムの獲得や、家事能力、金銭感覚、身だしなみを整えるなど、社会に出ていくための基礎となるライフスキルを身に着ける。 教育 個別の支援計画に基づき、特別支援学級や通級指導教室の利用やICT機器の活用などにより個々の特性に配慮した教育環境を提供。 福祉 放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などの制度により、社会性を育む、できることを増やす、安心できる居場所となるなど、子どもの育ちを支援。 52ページ 6.雇用・就労の促進 働く意欲のある障害者がその特性に応じて能力を十分に発揮することができるよう、就職及び就職後の職場定着に対する支援や就業機会の確保、福祉的就労の充実を図るなど、総合的な支援を推進していく必要があります。 写真:株式会社きぼうファクトリー きぼう工房 <所沢市のこれまでの主な取組> 事業者への助成・表彰 障害者雇用を行う事業者に助成するとともに、障害者雇用に理解のある優良な事業者の表彰を行いました。 審議会等の委員委嘱 雇用・労働分野の機関の職員に審議会等の委員を委嘱し、障害者の就労に向けた連携強化を図りました。 様々な就労形態の支援 障害福祉サービス事業所等にて、福祉的就労や、就労に向けた移行支援の機会を提供するとともに、一般就労については、ところざわ就労支援センターにおいて、障害者の就職への支援や、職場定着に向けた支援などを実施するなど、障害特性やその時々の心身の状況に応じた就労支援を行いました。 農業と福祉の連携 体験農場の優先利用など、関係課と協力・情報共有を行い、市内障害者施設の農業体験の場の提供に努めました。また、障害者施設の施設外就労の機会を増やすため、市内農業者の農作業について、農業者と施設との橋渡しを行いました。 53ページ <主要な課題> 課題@ 障害者雇用促進に向けた土台づくり ・困った時にサポートが受けられるような職場環境 ・事業者の障害に対する理解 課題A 就労及び職場定着に向けた支援 ・職業準備性の向上 ・障害者本人の意向や障害の状態を踏まえた適切な就労先・活動形態の選定 ・一般就労後の職場定着支援(障害者及び事業者、それぞれへの支援) ・福祉的就労の機会の確保 <アンケート結果より> 1.将来的にしていきたい活動 [障害児・障害者] 将来的にしていきたい活動を尋ねたところ、障害児の33%が「企業等で働きたい」と答え、福祉的就労を含め就労意欲のある人が半数を超えています。障害者では就労を望まない人も多いものの「企業等で働きたい」人も次いで多く、雇用の場と就労をつなげる支援が求められます。 ※上位4項目まで 障害者  回答総数 1,215  1,働きたいと思わない 22%  2.企業等で働きたい 18%  3.わからない 15%  4.その他 9% 障害児  回答総数 356  1.企業等で働きたい 33%  2.わからない 25%  3.企業等への就職につながる就労訓練や作業中心の施設に通いたい 12%  4.企業等への就職につながらなくてもよいが、作業が中心の施設に通いたい 11% 2.障害のある人が働くうえで、重要と思うこと [障害者・障害児] [市民] 障害のある人が働くうえで、重要と思うことを尋ねたところ、障害当事者では「障害の状態にあった仕事内容」「障害に対する周囲の理解」「困った時のサポート」など、市民からは「必要な配慮の周知」「明確な役割分担」「緊急時の相談先・対応」などが挙がっており、就労継続のための環境づくりが求められています。 障害者 障害児  回答総数 1,215 356  1.障害の状態にあった仕事内容であること 53% 82%  2.障害に対する周囲の理解があること 49% 78%  3.障害の状態にあった勤務条件であること 46% 67%  4.困った時サポートが受けられること 40% 73%  5.賃金が妥当であること 36% 58%  6.通勤手段があること 32% 46%  7.通院等の休暇保障があること 31% 35%  8.設備が障害に配慮されていること 28% 38%  9.やりがいのある仕事であること 27% 52%  10.障害のない人と一緒に働けること 21% 34%  11.自宅で仕事ができること 21% 16%  12.職業訓練が充実すること 14% 24% 市民  回答総数 195  1.必要な配慮が周知されている 67%  2.職場内での役割分担が明確である 56%  3.体調不良やパニック状態等の際の相談先・対応が明確である 54%  4.障害者対応に関する研修を受けられる 46% 54ページ <今後の方向性> (1)雇用の場の創出 @障害者雇用の促進と就業機会の確保  障害者を雇用するための職場環境の整備等を行う事業者に対する助成や障害者雇用促進法に基づく特例子会社※1の設立に対する奨励金の交付を行い、障害者雇用の場の確保を図ります。  また、障害者雇用に理解のある優良な事業者を表彰する等、障害者雇用の促進を図ります。そのほか、就労の機会を増やすため、農業と福祉の連携の研究を進めるとともに、農業者・福祉事業所の相談対応を行います。 (2)就労の実現と職場定着に向けた支援 @就労に向けた支援  ところざわ就労支援センターにおいて、企業とのマッチングや就労先、関係機関との連絡及び調整、職場定着等について対応し、障害者の就労を支援します。  また、ハローワークや就労支援移行事業所等と情報共有を行うとともに、ところざわ就労支援センターが開催する連絡会議等を通じて、地域の障害者雇用・就労に向けた他機関との連携体制の充実を図ります。  さらに、所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例に基づき、事業者に対して障害者が働きやすい環境の整備の必要性に関する啓発や情報提供を行い、職場の理解促進に努めます。そのほか、多様な就労形態の一つとして、在宅就労のサポートを行います。 A福祉的就労の充実  民間企業等に雇用されることが困難な障害者に対して、障害福祉サービス事業所や地域活動支援センターでの生産活動等の福祉的就労の機会を確保するために、市内の環境の充実を図ります。  また、国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(以下「障害者優先調達推進法」という。)に基づき、障害者就労施設等からの物品等の優先調達を推進するとともに、市内事業所と連携し、障害者施設での受注や工賃の向上に向けた取組を進めます。 B訓練の機会の充実  将来的に就労先の選択肢を広げることを目指す障害者に対し、障害福祉サービス事業所で日常生活能力や職業準備性の獲得のための訓練機会の充実を図ります。 ※1特例子会社…事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できる制度。 55ページ <目標・指標>  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 ところざわ就労支援センター登録者の就職者数 760人 850人 説明:ところざわ就労支援センター登録者のうち、民間企業等に就職した人の人数です。  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 障害者就労施設等からの調達実績額 13,566,143円 14,000,000円  説明:障害者優先調達推進法に基づき、障害者就労施設等から調達する物品等の実績額です。 コラム 障害者の「はたらく」様々なかたち 障害者それぞれの希望や特性、その時々の心身の状態に応じ、様々なしくみを活用して、その人らしく働くことを目指していきます。 雇用・就労の準備 働くための土台として大切な健康管理や日常生活の自立の上に、職業能力を身に着けていきます。 特別支援学校等での実習/自立訓練/就労移行支援など 図(ピラミッドの上から) 職務の遂行 職業生活の遂行 日常生活の遂行 疾病・障害の管理 雇用・就労 福祉的就労(就労継続支援B型事業所・就労継続支援A型事業所) 一般就労(障害者雇用・一般雇用) 働く場からのサポートの手厚さ 障害者雇用の事例:障害者チャレンジオフィス「わくわく」 所沢市では、平成29年10月より、障害者が会計年度任用職員として働く障害者チャレンジオフィス『わくわく』を開設し、様々な障害やその特性を理解し、個々の能力が発揮できる職場環境づくりを進めています。 『わくわく』という名前は、「作業」や「働く」を意味する“work”と、就労によって自身の成長や挑戦に対しわくわくする気持ちを表しており、全職員から親しまれるよう願いを込めてつけたものです。 現在では、障害種別・程度様々な計17名の障害者が、各所属の定型的業務を担い、活躍しています。 丁寧・正確、かつ迅速な仕事ぶりを評価され、『わくわく』は市役所に不可欠な存在となっています。 56ページ 7.保健医療の充実 保健・医療人材の育成・確保、難病に関する施策、障害の原因となる疾病等の予防・治療に関する施策を推進し、障害者が身近な地域で必要な医療やリハビリテーションを受けられるよう、地域医療体制を充実させていく必要があります。 <所沢市のこれまでの主な取組> アウトリーチ※1支援事業 精神科医や看護師、精神保健福祉士等の医療と福祉の専門職で構成されたチームによるアウトリーチ支援事業を実施しました。 障害の早期発見 母子保健対策や乳幼児健康診査等による、障害の早期発見・早期対応に向けた取組を実施しました。 精神障害者緊急一時宿泊事業 本人または家族のストレス軽減やレスパイト※2を目的として、市内の支援施設に短期間宿泊することができる取組を実施しました。 リハビリテーション事業 身体機能の維持回復と社会復帰や社会参加を目的とした機能訓練やリハビリ相談などを実施しました。 ※1アウトリーチ…生活上の課題を抱えながらも自ら援助にアクセスできない個人や家族に対し支援につながるよう積極的に対象者の居る場所に出向いて働きかける取組のこと。 ※2レスパイト…「休息」「小休止」「息抜き」を意味する言葉。在宅で介護をしている家族が休息を取れるようサポートすること。 57ページ <主要な課題> 課題@ 障害の原因となる疾病等の予防・治療 ・障害の早期発見や、家族に対する早期支援 課題A 保健事業 ・健康に対する正しい理解の促進等による健康づくりの推進 ・在宅療養者への健康指導 課題B 保健医療体制 ・訪問診療・往診に対応可能な医療体制の整備 ・重度精神障害者に対する適切な支援 <アンケート結果より> 1.医療の面で困っていること [障害者・障害児] 医療の面で困っていることを尋ねたところ、障害者では「交通が不便、移動が大変」「障害が重くなったり、病状が進む」「診察やくすりの処方・調剤にお金がかかる」などが多くなっています。 障害児では「交通が不便、移動が大変」「近くで専門的な治療が受けられない」が特に多くなっています。 必要な医療を受診はもとより、心身の状態が安定して過ごせるよう、地域の保健医療体制や保健事業などの連携した支援を勧めていくことが求められています。 障害者  回答総数 1,215  1.交通が不便、移動が大変 22%  2.障害が重くなったり、病状が進む 19%  3.診察や薬の処方・調剤にお金がかかる 16%  4.生活習慣病等の病気がある 15%  5.症状を伝えにくい、説明が分からない 13%  6.近くで専門的な治療がうけられない 9%  7.健康を保つ方法がわからない 8%  8.障害に理解や経験のある医療従事者が少ない 7%  9.集団検診や人間ドックを受けにくい 6%  10.障害に応じた受診体制が整っていない 6% ※回答が多いものから10項目のみ 障害児  回答総数 356  1.交通が不便、移動が大変 26%  2.近くで専門的な治療がうけられない 25%  3.障害に理解や経験のある医療従事者が少ない 13%  4.症状を伝えにくい、説明が分からない 13%  5.障害に応じた受診体制が整っていない 12%  6.十分なリハビリテーションが受けられない 10%  7.診察や薬の処方・調剤にお金がかかる 8%  8.障害が重くなったり、病状が進む 8%  9.集団検診や人間ドックを受けにくい 5%  10.保健・医療面について相談するところがない 3% 58ページ <今後の方向性> (1)予防・治療の充実 @障害の予防・早期発見体制の充実  訪問指導、健康診査、健康相談を実施するとともに、妊娠期からの健康管理の支援や乳幼児期の保健指導、定期健康診査の充実を図ります。また、所沢市こども支援センター(発達支援)において、発達障害に関する相談や支援を行います。 A障害の治療・軽減・補完施策の充実  身体機能の維持・回復と社会復帰や社会参加を目的とした専門職による相談や教育などを実施します。また、心身の障害の除去と軽減を図るために、自立支援医療の適切な利用を促進します。 (2)保健事業の推進 @健康づくりの推進  生活習慣病の予防や疾病に関する正しい理解の促進を図るため、所沢市保健センター等での健康相談や健康教育、また、歩きを中心とした健康づくりを実施します。そのほか、人間ドックや特定健診、各種がん検診について、利用しやすい環境を整備するための研究を進めます。 A保健事業の充実  同じ障害や病気を抱える当事者や家族同士の交流機会の充実に努めます。また、在宅で療養中の人や生活習慣病予防が必要な人に対して、保健師、栄養士、歯科衛生士、理学療法士等が訪問による保健指導を行います。 (3)地域の保健医療体制の充実 @地域医療の充実  医療を必要とする障害者が在宅でも安心して暮らせるように、医師会、歯科医師会、薬剤師会等の関係機関との連携体制の充実と必要な情報の提供に努めます。さらに、適切な医療を安定的に提供できるよう、休日や夜間における医療提供体制の充実に努めます。また、歯科診療所あおぞらでは障害の特性を踏まえ、一般の歯科診療所での診療が困難な方が安心して歯科診療を受けられる体制を継続的に実施します。 59ページ A精神保健体制の充実  精神障害者に関する正しい知識や理解の向上のため、こころの健康に関する講座を開催します。また、医師や看護師、精神保健福祉士等の専門職チームが、重篤な精神障害者を対象に訪問型の支援を行うとともに、将来的には各分野の関係者が連携し精神障害者を支える包括的な地域生活支援の構築を目指します。そのほか、精神障害者が地域生活を送る上で必要な場合に、本人または家族等が市内の精神障害者支援施設等に一時的に宿泊することができる精神障害者等一時宿泊事業を実施します。 <目標・指標>  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 乳幼児健康診査受診率 96.4% 99% 説明:市が実施する4か月児・10か月児・1歳6か月児・3歳児の乳幼児健康診査を受診している児童の割合です。  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 理学療法士による相談(予約制)及び訪問リハビリの相談者数 51人 70人 説明:疾患などにより身体機能に支障を来し、社会活動を制限されている方などに対し、理学療法士が個別に対応する相談者数です。  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 所沢市精神障害者アウトリーチ支援事業の延べ登録者数 160人 200人 説明:訪問チームによる精神科未受診者などへの早期支援や、退院後の再入院を防ぐ支援を継続して行う所沢市精神障害者アウトリーチ支援事業の延べ登録者数です。 コラム 精神障害にも対応した地域包括ケアシステム(「にも包括」と呼ばれています) 精神的不調や精神障害を抱える人を別扱いしないことが大切なので、「精神障害にも」とされています。 目指しているのは 精神障害の有無や程度に関わらず誰もが安心して自分らしく暮らすことができる医療、障害福祉、介護などによる地域共生社会 所沢市の取組 所沢市では「にも包括」を推進していくため、自立支援協議会こころ部会の委員会を「にも包括」の協議体に位置づけ、月に1回委員を務める関係機関の代表者や、オブザーバーとしてアウトリーチ支援チームのメンバーなどが参加して、地域の精神障害者支援について意見交換を行っています。 60ページ 8.支援体制の充実 障害者が身近な場所で気軽に相談できるよう、地域の支援体制の整備を進めていく必要があります。整備に当たっては、「地域生活支援拠点」や「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム※1」などを取り入れながら、他分野多機関との連携を進めていくことが重要です。 <所沢市のこれまでの主な取組> 発達障害の理解促進と支援 発達障害に関する相談支援のほか、研修や啓発事業等の地域支援、児童福祉法に基づく障害児通所支援を実施しました。 精神障害支援体制の強化 精神障害者が地域で安心して暮らすために、自立支援協議会の活動を通して医療や福祉などによる包括的な支援を検討しています。 地域生活支援拠点事業 所沢市基幹相談支援センターにおいて、障害者の緊急対応ができるよう、24時間365日問い合わせ可能な連絡先を設置しました。また、市内の障害者支援施設において、障害者の緊急時における、緊急的な受入れ・対応ができる体制を整えました。 相談支援体制の強化 相談支援事業所の新規開拓、新任相談支援専門員へフォローアップ研修会の実施、1人事業所の意見交換場所の提供等を行なっています。 また、所沢市自立支援協議会の活動を通して多問題や緊急対応が必要な事例などへの連携強化を進めました。 ※1精神障害にも対応した地域包括ケアシステム…精神障害者が、地域の一員として、安心して自分らしい暮らしができるよう、医療、障害福祉・介護、社会参加、住まい、地域の助け合い、教育が包括的に確保されたシステム。 61ページ <主要な課題> 課題@ 相談支援 ・相談支援事業所・相談支援専門員の不足や負担の増大 ・相談支援事業所・相談支援専門員の地域への定着 課題A 地域の支援体制 ・安定した支援体制構築に向けた他分野多機関連携のための取組 ・事業者向けのスキルアップ研修会の実施 ・福祉人材の確保と育成、地域へ定着 <アンケート結果より> 1.不足している社会資源 [事業所] サービス提供事業者に不足している社会資源を尋ねたところ、「緊急対応が可能なショートステイ」「グループホーム・入所施設」「移動の支援を行う事業所」などが挙がっており、地域生活支援拠点における緊急時の受入れ・対応などの取組をさらに進めていく必要があります。 事業所  回答総数 134  1.緊急対応が可能なショートステイ 46%  2.グループホーム・入所施設 34%  3.移動の支援を行う事業所 29%  4.重度障害に対応可能な通所施設 27%  5.余暇活動の支援を行う事業所 21%  6.相談支援事業所・相談支援専門員 20%  7.自立のための生活能力の訓練の場 19%  8.障害者が入居できるアパート 17%  9.小児の療育専門医療機関 16%  10.障害者同士の交流の場 16%  11.特別支援教育を受けられる場 7%  12.機能維持・重症化予防のための訓練の場 5%  13.その他 3%  14.特に不足しているものはない 2% 2.親亡き後が心配な利用者に対して、必要と思う支援 [事業所] 親亡き後が心配な利用者に対して、必要と思う支援を尋ねたところ、「家族(親等)へ『親亡き後』について考えてもらう」「短期入所や体験利用により、本人、施設、双方の準備を進める」などが挙がっており、相談をはじめ、地域生活支援拠点の機能強化が求められています。 事業所  回答総数 97  1.家族(親等)へ「親亡き後」について考えてもらうよう働きかける 72%  2.短期入所や体験利用により、本人、施設、双方の準備を進める  67%  3.利用者情報を関係機関で予め共有する 57%  4.現在の生活状況を詳しく把握する 54%  5.成年後見制度の利用を検討する 52%  6.サービスの支給量を増やす 21%  7.サービスの種類を増やす 21%  8.その他 11%  9.特別な支援は必要ない 2%  10.わからない 1% 62ページ <今後の方向性> (1)相談支援の充実 @総合的な相談体制の確立  所沢市基幹相談支援センターと委託相談支援事業所において、障害者の身の回りの相談に対応するとともに、発達障害に関する相談、就学・教育相談、就労相談等についても専門的な窓口において対応します。そして、各相談窓口の連携を強化し、ワンストップでの対応を可能にするよう努めます。  また、相談支援事業に興味のある法人等に対する勧誘や情報提供を行うとともに、相談支援事業所・相談支援専門員が地域に定着するための後方支援を行い、市内の相談支援体制の充実を図ります。 Aケアマネジメントの充実  障害者一人ひとりに適切なケアマネジメントを行うため、相談支援専門員によるサービス等利用計画の作成を進めます。また、地域生活に移行する障害者に対して、関係者の連絡調整等の支援を適切に実施します。 (2)地域の支援体制の充実 @精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築  精神障害者が、地域の一員として、安心して自分らしい暮らしができるよう、医療、障害福祉・介護、社会参加、住まい、地域の助け合い、教育が包括的に確保されたシステムの構築を目指します。 A地域生活支援拠点の整備  障害者の重度化・高齢化や「親亡き後」を見据え、相談、緊急時の受入れ・対応、体験の機会・場、専門的人材の確保・養成、地域の体制づくり等、地域生活支援拠点に必要な機能の充実を図ります。 Bサービスの質の向上  所沢市自立支援協議会において、生活介護事業所連絡会議・就労継続支援事業所連絡会議・グループホーム等連絡会議・障害児通所支援事業所連絡会議・地域活動支援センター連絡会議を開催しています。今後も関係者のネットワーク強化を図るとともに、市内福祉サービス事業所に対して情報提供やスキルアップにつながる研修を行い、地域における福祉サービスの質の向上に努めます。 63ページ <目標・指標>  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 指定特定相談支援事業所及び指定障害児相談支援事業所数 22か所 23か所 説明:所沢市内の指定特定相談支援事業所及び指定障害児相談支援事業所の数です。  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 所沢市こども支援センター(発達支援)の利用者満足度 95.9% 100% 説明:所沢市こどもと福祉の未来館2階の所沢市こども支援センター(発達支援)の利用者満足度です。 コラム 所沢市自立支援協議会について 令和5年度は約100回会議が開催されました 所沢市自立支援協議会とは? 障害者総合支援法に規定されている会議体です。所沢市において障害者の生活を支えるために、障害福祉サービスを適切に提供する体制づくりと、そのための関係機関によるネットワーク作りのための協議を行っています。また、自立支援協議会は地域における障害を理由とする差別の解消に向けた協議を行う障害者差別解消支援地域協議会としても活動しています。 こんな活動をしています 定例会、臨時会、実務者会議、事業所連絡会議、部会、プロジェクトチーム プロジェクトに取り組んでいます 防災訓練参加促進 事業所製品の販路拡大の取組「ぷらっとマーケット」 サービスのミスマッチを減らす取組「プロジェクトR」 5つの部会が活発に活動しています 相談支援部会 事例検討会などを通し、相談支援専門員の資質・技術の向上を図ります 研修部会 様々な障害福祉サービスに従事する方向けの研修を企画・実施します こころ部会 精神疾患を抱える人が暮らしやすくなるよう、様々な分野の支援者のネットワークづくりを進めます こども部会 教育と福祉の連携推進など、障害児の支援体制の整備に取り組みます 重症心身障害部会 重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複する方の支援体制の検討に取り組みます 障害者及びその家族が、住み慣れた地域で安心できる生活を支えます 64ページ 9.福祉サービス等の充実 障害者が住み慣れた地域で日常生活や社会生活を送るためには、日々の生活の援助や福祉サービス等の充実が必要になります。また、適切な福祉サービスの提供のため、日頃からの関係機関との連携も必要です。 写真:所沢市立 プロペラ <所沢市のこれまでの主な取組> 医療的ケア児等への支援 主に重症心身障害児を支援する障害児通所支援事業所や、医療的ケア児を受入可能な日中一時支援事業所の整備を進めるとともに、医療的ケア児支援の情報交換会の開催等を通じて、保健、医療、福祉その他関係機関とともに、情報共有や支援体制整備を進めました。 生活環境の整備 自立した生活を希望する障害者の居住の整備を支援するとともに、必要な入所支援に努めました。 福祉手当・医療費助成等 重度障害者に福祉手当の支給や医療費の助成、福祉タクシー使用料金・ガソリン費の補助を行うとともに、補装具※1や日常生活用具※2の適切な利用に関する周知を行いました。 ※1補装具…身体の失われた部分や障害のある部分を補い、日常生活や働くことを補助する用具。盲人安全つえ、補聴器、義肢(義手・義足)、車いす、歩行器など。 ※2日常生活用具…特殊寝台、入浴補助用具、ポータブルレコーダー、ファックス、ストマ用装具など、在宅の障害者の日常生活がより円滑に行われるために用いられる用具。 65ページ <主要な課題> 課題@ 地域で自立した生活を送る上での不安の軽減 ・本人の希望する居住形態(自宅、グループホーム等)の実現に向けた支援 ・「親亡き後」の生活に向けた本人、家族、支援者等の準備 ・障害者への経済的支援の継続的な実施 課題A 重度障害者支援の充実 ・医療的ケア児支援のための取組 課題B 福祉サービス等の充実と制度の持続可能性の確保 ・在宅サービスや通所サービスの適切な利用支援 ・社会情勢に対応した福祉サービスの提供 ・障害特性の多様化とニーズの専門性向上 <アンケート結果より> 1.本人が困っていること [障害者・障害児] 本人が困っていることを尋ねたところ、障害者・障害児ともに「家族が亡くなった後」のことを挙げており、障害者では次いで「収入」「災害時」「家事や身の回り」など、障害児では「教育・学習」「就労」などが多くなっています。 障害児への育ちと学びの支援や就労支援から、障害者への自立した生活に向けた支援へ、ライフステージに応じた切れ目のない福祉サービスや様々な支援が求められています。 障害者 障害児  回答総数 1,215 356  1.家族が亡くなった後の生活のこと 35% 49%  2.収入に関すること 34% 22%  3.災害時のこと 27% 23%  4.家事や身の回りのこと 25% 28%  5.医療やリハビリのこと 20% 13%  6.就労のこと 18% 35%  7.交通機関の利用のこと 15% 14%  8.趣味や生きがいを持つこと 15% 13%  9.住宅のこと 13% 10%  10.周囲が障害に理解がないこと 12% 15%  11.悩み事の相談に関すること 12% 12%  12.必要な情報を得ること 12% 18%  13.財産管理のこと 11% 20%  14.家族関係のこと 11% 6%  15.現在の援助(介護)のこと 9% 8%  16.社会参加のこと 9% 19%  17.友達のこと 5% 17%  18.教育・学習のこと 3% 39%  19.その他 3% 6%  20.特にない 18% 14% 66ページ <今後の方向性> (1)自立した生活に向けた支援の充実 @生活環境の整備  重度障害者が住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、事業者に対して、重度障害者を受け入れることができるグループホームの整備の働きかけを行い、その整備に対して支援をするとともに、新規の事業所が地域に根ざしていくことができるよう、関係機関との連携の促進を図ります。また、障害者の自立した活動に必要な補装具や日常生活用具を適切に給付します。  さらに、「親亡き後」の障害者の生活の準備を進めるため、短期入所や体験利用による本人・施設双方の準備や、家族へ親亡き後について考えてもらうための働きかけを行います。 A意思決定支援の推進  知的障害や精神障害等で意思決定に困難を抱える障害者が、日常生活や社会生活に関して自らの意思が反映された生活を送ることができるよう、障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドラインに沿った対応について検討を進めるとともに、障害福祉サービス事業者等に対して周知啓発を図ります。  また、成年後見制度の利用の検討や、現在の生活状況に合わせた福祉サービスの種類・支給量の見直し等を行い、高齢化が進む障害者や家族への支援の充実を図ります。 B経済的自立の促進  障害者が生計を維持し、経済的に自立した生活を送れるよう、移動に関する費用の補助、重度障害者に対する福祉手当の支給や医療費の助成を行います。 (2)重度障害者支援体制の充実  @医療的ケア児等への支援  医療的ケア児とその家族が身近な地域で継続して必要な支援を受けられるよう、利用できる施設・サービスの確保に努めながら、「医療的ケア児支援の情報交換会」において、保健、医療、福祉その他の関係機関が医療的ケア児に関する情報共有や意見交換を行うとともに、医療的ケア児等に関するコーディネーターが、当事者や支援者からの相談に応じ、支援に必要な機関等につなぎます。 A重度障害者への支援  市内の障害者施設等において、重度障害者への適切な支援や、重度障害者の日中活動や居住の場の確保を前進させるために、障害福祉サービス事業所間の情報共有や意見交換の充実に努めます。また、施設整備に当たっては、可能な限り、重度障害者を受け入れることができる環境となるよう、事業者への働きかけを行います。 67ページ B施設入所支援  障害者の地域移行を推進する一方で、地域において施設入所支援を真に必要とする障害者が一定数いる状況であることを踏まえるとともに、障害者の親亡き後を見据え、社会福祉法人等による障害者支援施設の整備計画に対して、施設整備に関する調整等について協力し、必要な施設入所支援の提供につながるよう努めます。 (3)福祉サービス等の充実 @障害者・障害児向けサービスの充実  重度障害者が住み慣れた地域で安心して生活を送るために必要な在宅サービスや通所サービスを提供する事業所に対し、重度障害者を受入れ可能なサービス提供体制の整備を働きかけていきます。また、在宅生活が困難な障害者のニーズに応じ、安定した地域生活を送るための支援や、適切に入所につなげるための支援に努めます。 <目標・指標>  指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 グループホームの整備数(定員数) 362人分 400人分 説明:市内において共同生活援助(グループホーム)の指定を受けている事業所の定員数の合計です。 コラム 本市では、障害のある人の地域移行を進めると共に、障害者の重度化・高齢化や 親亡き後に備え、障害のある人が地域で安心して暮らせるよう、その生活を地域全体で支える「地域生活支援拠点整備」事業を進めています。 本事業の一つには、介護者(親族等)の急な疾病や事故、ご本人の状態悪化等の緊急時に、緊急的に施設等で受入れる体制を確保する「障害者等緊急短期入所」事業があり、令和5年に開所した市内4つ目の入所施設である「指定障害者支援施設 ぷらす」では、その一端を担っています。 重度化・高齢化や親亡き後に備える施設というだけでなく、新型コロナウイルス感染症のような感染症が流行した際に、感染(疑い)者と他の入所者の動線が交わらないように部屋分けする、ゾーニング対応が可能なつくりとなっており、施設内での感染拡大を防止する対策のひとつとなっています。 市内には6か所の市立障害福祉サービス事業所があり、市内社会福祉法人が指定管理者となって、利用者のニーズや地域課題の変化に合わせ、住み慣れた地域の中で自分らしく、より豊かに生活できるよう適切な支援のもと運営をしています。 68ページ 障害者作品展の受賞作品の紹介 令和5年12月1日から8日まで、所沢市役所1階市民ホールにて障害者作品展が開催されました。会場内には、市内の障害者施設の利用者等が作成した絵画や陶芸、工作などの作品が展示され、多くの方にお越しいただきました。 このページでは、計252点の作品の中から選出されたトコろん賞受賞作品10作品のうち8作品を紹介します。 「ぼくのすきないろ2」 早川 敦裕さん 「ところんピニャータ」たっちのこどもたちさん 「雨の日だってワクワク!」 村上 絢音さん 「車ひこうき」 セナさん 69ページ 「ドラゴン」 小達 一刀(KAZ)さん 「クリスマスツリー」 小池 勇太さん 「仕事畑」 並木 一真さん 「般若心経」 塩田 大輔さん 70ページ 第2節 ライフステージを通じた支援 1.ライフステージの設定  障害者が地域で安心して自立した生活を送るためには、分野ごとの施策展開に加え、障害者一人ひとりのライフステージに応じた支援を行っていくことが必要です。このため、「乳幼児期(小学校入学前)」、「学齢期(小学校入学〜17歳)」、「青年期(18歳〜39歳)」、「壮年期(40歳〜64歳)」、「高齢期(65歳以上)」の5つのライフステージを設定し、それぞれの年代で必要とされる支援を横断的・重点的に取り組んでいきます。  年代ごとの特徴を踏まえ、各ライフステージにおいて、特に求められている支援や重点施策を記載するとともに、ニーズの高い施策に関する、障害福祉、教育、保育、医療、雇用労働、高齢者福祉等、分野間の連携についても記載します。  なお、令和5年4月1日からこども家庭庁が創設されたことにより、障害児に関する支援の大部分が厚生労働省からこども家庭庁の所管となりました。制度のはざまへの配慮、特に学齢期から青年期への円滑な移行に向けた切れ目のない支援を重視して取り組みます。 <ライフステージを通じた支援のイメージ> 乳幼児期  対象年齢 小学校入学前  関連分野間の協働 教育、保育、医療、障害福祉 学齢期  対象年齢 小学校入学から17歳まで  関連分野間の協働 教育、障害福祉 青年期  対象年齢 18歳から39歳まで  関連分野間の協働 雇用労働、障害福祉 壮年期  対象年齢 40歳から64歳まで  関連分野間の協働 高齢者福祉、障害福祉 高齢期  対象年齢 65歳以上  関連分野間の協働 高齢者福祉、障害福祉 障害児への支援(乳幼児期、学齢期)  〇児童発達支援、放課後等デイサービスなどの通所支援  〇障害児入所支援  〇保育所や放課後児童クラブなど一般施設での受入れ  〇社会的養護との連携  障害児から障害者へ 円滑な移行(切れ目のない支援) 障害者への支援(青年期、壮年期、高齢期)  〇就労支援  〇生活介護  〇グループホーム  〇施設入所支援 障害児へと障害者への共通する支援  〇相談支援、居宅介護(ホームヘルプ)、ショートステイなどの児・者共通サービス 71ページ  2.求められている支援の考え方  それぞれの年代でどのような支援が求められているかを分析するため、市内の障害者に対して実施したアンケートから、市の施策の満足度と必要性の評価を集計し、ライフステージ別に分析しました。  具体的には、第5次所沢市障害者支援計画に掲げた18項目の障害者施策について、満足度と必要性を5段階で評価していただき、満足度と必要性のそれぞれの平均を交点として、4つのエリアに分類しました。 1)最優先改善エリア(必要性が高いが、満足度は低い) 2)改善エリア(必要性が低く、満足度も低い) 3)重点維持エリア(必要性が高く、満足度も高い) 4)現状維持エリア(必要性は低いが、満足度が高い)  各ライフステージ固有の課題を抱える分野について、最優先改善エリアや改善エリアの施策を中心に重点的に取り組んでいく必要があると考えられます。 <障害当事者全体> 表 72ページ   3.乳幼児期(小学校入学前)の支援 (1)この年代の特徴  乳幼児期は、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期です。この時期の支援は、将来の本人にとって、充実した生活を送る上で非常に重要です。また、このような時期においては、保護者についても、子どもの障害の受容が難しい、育児に関する悩みがあるといった、様々な問題を抱えています。  このため、障害児本人に対してはもちろん、保護者の心理的・身体的な負担を軽減するためにも、家族全体に対する支援を行う必要があります。 (2)求められている支援(アンケート結果から)  前回調査と比較すると、「C市民の障害者理解促進」「G障害の早期発見や対応の促進」、「まる10地域の医療体制の充実」で満足度が上がっていますが、「まる11障害児のための教育・保育の促進」「E生活環境の整備や経済的自立の支援」「P誰もが利用しやすいまちづくりの推進」等は引き続き最優先の改善が求められています。 73ページ (3)重点的な取組・支援  障害を早期に発見し、支援を開始するため、必要な情報の提供や健康診査等の機会の提供を行います。  また、障害児と保護者が安心して暮らせるよう、保護者支援の充実や相談支援、障害児保育の適切な実施等に取り組みます。  主な事業 母子保健事業 妊娠期からの健康管理の支援に努め、訪問指導、乳幼児健康診査、健康相談等を通じて、保護者を支援し、乳幼児の健全な発育・発達を図ります。 発達支援事業 所沢市こども支援センター(発達支援)において、発達障害に関する相談支援や通所支援を行います。また、専門性を生かした巡回支援や啓発活動等の地域支援に取り組みます。 障害児保育の実施 保育園等での混合保育を通じて、お互いの成長・発達を促すことで、個性を伸長する保育を充実します。 (4)関連分野間の協働  乳幼児期では、保護者は、わからないことだらけの中で育児に臨まなければならず、心身両面の負担がとても大きいものと思われます。  そこで、教育・医療・福祉の各分野が協働で、保護者に対して、困った時に適切に対処するための情報提供を行うことでその負担の軽減を図ります。  また、各分野が他分野への理解を深めることで、保護者からの相談に応じて、分野間を横断した適切な支援へとつなげることができるよう、関連分野間の連携のための取組を推進します。  主な事業 障害児の保護者に対する情報提供 教育・医療・福祉等の分野が連携し、保護者に対して、何かあったときの相談窓口や相談方法、困った時の対処法等の情報を提供するための手法について、調査研究を行います。 74ページ 4.学齢期(小学校入学〜17歳)の支援 (1)この年代の特徴  学齢期は、集団生活等を通じて知識や技術を身に付け、将来の社会的自立に向けて人格を形成していく、学びと成長の時期です。  このため、障害児や保護者のニーズや状況に応じた適切な教育の実施や地域での活動の充実等、社会参加をするための取組が大切となります。  また、幼児教育から小学校教育への円滑な移行に向けて、各関係機関の連携・接続に関するきめ細かな取組も重要です。さらに、学校卒業後は、進路の決定など、本人の希望を実現するための支援を行う必要があります。 (2)求められている支援(アンケート結果から)  前回調査と比較すると、「まる10地域の医療体制の充実」「まる14障害者の雇用・就労の促進」「まる15わかりやすい情報の提供」は満足度が上がっていますが、同じく最優先改善エリア内の「まる11障害児のための教育・保育の促進」「E生活環境の整備や経済的自立の支援」「C市民の障害者理解促進」等とともに引き続き改善が求められます。 75ページ (3)重点的な取組・支援  本人が社会に出ていく準備をするために、教育や進路等の心配事に関する相談支援を行うとともに、乳幼児期から引き続き保護者も含めた総合的な支援を行います。  また、障害の程度や状態に応じた教育環境・医療環境を整備するとともに、卒業後の進路の選定についても支援していきます。  主な事業 一人ひとりに応じた進路選択 特別支援学校等におけるアセスメントを通し、障害児それぞれの希望や特性に適した就労先や福祉サービス等の卒業後の進路選択を支援します。 就学相談・教育相談の実施  学習面や生活面等、子どもの状況をつぶさに見取るとともに、本人や保護者と教育相談をしたり、支援者間でケース会議を開催したり、必要に応じて就学相談や関係機関につなげるなど、適切な支援に努めます。 医療体制の整備  医療を必要とする障害者が在宅でも安心して暮らせるように、医師会、歯科医師会、薬剤師会等の関係機関との連携体制の充実と必要な情報の提供に努めます。 (4)関連分野間の協働  学齢期では、日中の時間を学校で過ごし、放課後には放課後等デイサービス※1事業所を利用される方が増えています。  こうした状況を踏まえ、障害児支援の関係機関が同じ方向を向いて支援を行うために、学校、放課後等デイサービス事業所、障害児支援をプランニングする指定障害児相談支援事業所と家庭の連携強化を図っていきます 。  主な事業  学校・放課後等デイサービス事業所・指定障害児相談支援事業所、家庭の連携強化  学校と放課後等デイサービス事業所との連携強化を図るため、先進自治体の取組等を参考に、情報共有・関係構築の手法について調査研究を行います。 ※1放課後等デイサービス…学校通学中の障害児に対して、放課後や学校休業日において、生活能力向上のための訓練等を継続的に提供するサービス。学校教育と相まって障害児の自立を促進するとともに、放課後等の居場所づくりを行う。 76ページ 5.青年期(18歳〜39歳)の支援 (1)この年代の特徴  青年期は、社会的・経済的な自立を目指し、広く社会と関わりながら自己実現に向けて人生を歩んでいく時期です。  この時期には、不慮の事故や病気によって障害者となる人や社会に出てから障害に気づく人がいます。突然、障害と向き合うという状況になったとき、今までの生活とのギャップや障害の受容について悩む人も少なくありません。  このように、障害者が自立した地域生活を送るためには、家庭、就労等の様々な場面で、障害特性に応じた支援が重要になります。 (2)求められている支援(アンケート結果から)  前回調査と比較すると、「F福祉サービスの充実」「B障害者の社会活動への参加の支援」等が現状維持エリアとなるなど改善が見られますが、引き続き「まる14障害者の雇用・就労の促進」「まる15わかりやすい情報の提供」「E生活環境の整備や経済的自立の支援」等で最優先の改善が求められています。 77ページ (3)重点的な取組・支援  障害者の就労を促進していくために、民間企業等に対する障害理解の浸透を図るとともに、本人に対する適切な就労支援を提供していきます。  また、一人暮らしが難しい障害者が、地域で自立して生活することができるよう、グループホームの整備に取り組み、居住の場の確保を進めます。  主な事業  働きたい人が働ける環境づくり 障害者が働ける場の確保を図るため、民間企業等に対し、障害者対応や障害者雇用において必要な対応等の周知啓発を行います。 就労支援事業 就労が困難な障害者の職業能力の向上、企業とのマッチングから就労後の定着支援まで一貫して行い、障害者の就労を総合的に支援します。 グループホームの整備 重度障害者が住み慣れた地域で安心して生活ができるよう、事業者に対して、重度障害者を受け入れることができるグループホームの整備を働きかけるとともに、その整備に対して支援を行います。 (4)関連分野間の協働  現在、雇用・労働分野は主に国と埼玉県が所管し、障害者への支援は主に市が所管しており、就労分野においても個別に対応がなされている状況です。  障害者の雇用・就労を効果的に促進するために、これらの機関の連携強化を図っていきます。  主な事業 雇用・労働分野と障害福祉分野の連携  ところざわ就労支援センターが中心となり、ハローワーク等の労働分野と障害福祉分野の連携強化を図ります。 78ページ 6.壮年期(40歳〜64歳)の支援 (1)この年代の特徴  壮年期は、社会の中での立ち位置や人間関係が少しずつ変わっていく時期です。また、家族の高齢化により、これまでと同じような生活を継続することが困難な場合が生じてきます。  このため、現在の状況に対応していくことに加え、障害者本人やその家族が更に年齢を重ねても地域の中で自立した生活が送ることができるよう、将来を見据えた支援が必要になります。 (2)求められている支援(アンケート結果から)  前回調査と比較すると、「A虐待の防止や障害者の権利を守るための支援」「まる10地域の医療体制の充実」等で満足度が上がっていますが、引き続き「E生活環境の整備や経済的自立の支援」「まる15わかりやすい情報の提供」「まる18災害対策や犯罪防止等の体制づくりの推進」等で最優先の改善が求められています。   79ページ (3)重点的な取組・支援  家族の高齢化による、家庭環境の変化に対応するため、家族支援を行うとともに、家族が亡くなった後も、本人が自立した生活を送れるよう、親亡き後の準備や居住支援に取り組みます。  さらに、障害者の親亡き後を見据え、地域のセーフティネットとしての役割を持つ障害者支援施設において、緊急的な受入れに関する調整や受入体制の整備を進めます。また、社会福祉法人等による障害者支援施設の整備に関する調整について協力します。  主な事業 高齢の家族に対する支援  障害者が家族とともに安心して暮らせるように、障害福祉分野と介護保険分野等が連携し、必要に応じて高齢の家族に対しても支援を行います。 親亡き後の準備  家族が亡くなった後の生活の準備として、グループホームの体験利用や成年後見制度の利用等の支援を行うほか、支援者間の情報共有を図ります。 相談支援事業所による居住支援  賃貸住宅入居希望者に対し賃貸借契約や入居後の生活についての相談支援を行います。 (4)関連分野間の協働  高齢期に移行し、公的な支援が障害福祉サービスから介護保険サービスに代わることにより本人に不都合が生じないよう、分野間における情報共有や必要に応じて共同で支援を行うことのできる体制の整備に取り組みます。  主な事業 障害福祉と介護保険との分野間の連携  障害福祉サービスと介護保険サービスの受給資格を重複して有する障害者に対して、必要に応じて各分野の担当者が連携して対応します。また、所沢市自立支援協議会等を通じて分野間の情報共有に努めます。 80ページ 7.高齢期(65歳以上)の支援 (1)この年代の特徴  高齢期は、障害者本人の心や身体に変化が現れる時期です。また、家族が亡くなったり、公的な支援制度が障害福祉サービスから介護保険サービスに移行したりすることで、障害者本人を取り巻く環境が大きく変化します。  このため、環境の変化により生じる不安を取り除くため、関連分野間における連携により、総合的な支援を行うことが重要です。 (2)求められている支援(アンケート結果から)  前回調査と比較すると、「@障害者差別解消の推進」「A虐待の防止や障害者の権利を守るための支援」が重点維持から現状維持エリアに移動し取組の成果が見られますが、必要性が高まった「まる15わかりやすい情報の提供」「まる14障害者の雇用・就労の促進」等の優先的な改善が求められます。 81ページ (3)重点的な取組・支援  障害者の高齢期における地域生活においては、環境変化による様々な問題が生じていくことが考えられるため、相談支援体制の整備を進め、多様なケースに対応できるよう努めます。  また、災害や犯罪による被害を最小限に留めるために、災害時の避難対応や防犯体制の充実など、地域を挙げて取り組みます。  主な事業 総合的な相談窓口による対応  所沢市こどもと福祉の未来館の福祉の相談窓口において、生活困窮、成年後見等生活全般に関する多種多様な相談に応じます。 災害時における要配慮者支援体制の整備  災害時に障害者や高齢者等の要配慮者の安否確認が地域の中で迅速に行われるための体制整備を、自治会・町内会等地域の協力を得ながら進めます。 障害者の権利を守る支援  判断能力が不十分な方などの権利擁護を支援するため、成年後見制度の周知と利用促進を進めます。 (4)関連分野間の協働  高齢期では、主に高齢者福祉の分野において支援することになりますが、支援者が変わったことで本人が不利益を受けることとならないよう、必要に応じて共同で支援を行うことのできる体制の整備に取り組みます。 主な事業 高齢障害者への支援  高齢期を見据えた障害福祉サービスの提供や、高齢障害者が家庭内で虐待を受けた場合など、必要に応じて高齢者福祉分野と障害福祉分野が連携して対応します。 65歳以上の障害福祉サービスと介護保険サービスの利用関係  65歳以上の障害者については、介護保険サービスにより支援をしていくことになります。しかし、65歳到達以前に障害福祉サービスを利用していた障害者については、介護保険サービスへの移行が本人の不都合とならないよう、障害福祉サービスを併用することができます。 82ページ ■第6次所沢市障害者支援計画 目標・指標一覧(再掲)  施策分野 指標 現状値令和4年度末 目標値令和8年度末 1.差別解消と権利擁護の推進 1の(1)所沢市障害のある人もない人も共に生きる社会づくり条例に関する職員研修の受講者数(累計) 1,229人 1,830人 1の(2)障害者やその家族等に向けた成年後見制度に関する出前講座の受講者数 197人 220人 2.社会参加の促進と協働の推進 2の(1)所沢サン・アビリディーズ及び所沢市こどもと福祉の未来館を利用した障害者数 12,452人 15,500人 2の(2)障害者作品展及び障害者週間記念事業来場者数 4,467人 4,700人 3.情報アクセシビリティの向上 3の(1)ウェブアクセシビリティ向上のためのホームページ操作研修の受講者数(累計) 151人 325人 3の(2)所沢市手話通訳・要約筆記派遣事務所の利用件数 2,423件 2,440件 4.安全・安心なまちづくり 4の(1)災害時における福祉避難所施設利用に関する協定締結件数 19件 24件 5.育ちと学びの充実 5の(1)保育園等の障害児保育への巡回指導の件数 1,592件 1,610件 5の(2)特別支援教育や障害者に対する理解促進のための取組を行った学校の割合 93.6% 100% 6.雇用・就労の促進 6の(1)ところざわ就労支援センター登録者の就職者数 760人 850人 6の(2)障害者就労施設等からの調達実績額 13,566,143円 14,000,000円 7.保健医療の充実 7の(1)乳幼児健康診査受診率 96.4% 99% 7の(2)理学療法士による相談(予約制)及び訪問リハビリの相談者数 51人 70人 7の(3)所沢市精神障害者アウトリーチ支援事業の延べ登録者数 160人 200人 8.支援体制の充実 8の(1)指定特定相談支援事業所及び指定障害児相談支援事業所数 22か所 23か所 8の(2)所沢市こども支援センター(発達支援)の利用者満足度 95.9% 100% 9.福祉サービス等の充実 9の(1)グループホームの整備数(定員数) 362人分 400人分